episode292 ページ42
.
「お待ちなさい、ミス・マルフォイ」
『闇の魔術に対する防衛術』の授業が終わりを告げると、アンブリッジはAの前に来て言った。
Aは眉を寄せながらも、アンブリッジに閉ざされたままの口をもごもごと動かす。
アンブリッジがそんなAを見て、嘲笑ともとれる笑みを口元に浮かばせた。
「あら。ごめんなさいね。今、口を元に戻してあげるわ」
アンブリッジは極端に短い杖を軽く振り、Aの口を解放した。
だが、Aの口はまだ一文字に結ばれたままだ。
「ミス・マルフォイ、今日のあなたの授業態度は散々なものだったわね？次の授業でもあのようでは困りますよ」
アンブリッジは幼子に教え込む時のような話し方をした。
「もし、次の授業でもあのようなら、今度は罰則を与えなければなりません。いいですわね？」
Aは返事も、頷きもしなかった。
だが、アンブリッジは気にせず、Aの元から離れ、自分の部屋へと帰っていった。
Aはジニーと共に教室を出る。
「＿＿なんなのあの人！」
アンブリッジとAの様子を見ていたジニーが、『闇の魔術に対する防衛術』の教室から出てきた途端に
側にいたコリンが驚き、「びっくりした……」と。
「最初から変な人だとは思ってたけど、まさかあんなにだとは思わなかったわ。あんなのただの脅しじゃない」
ジニーは『闇の魔術に対する防衛術』の教室の閉まった扉を睨み付けて続ける。
「Aの言ってたことは全然間違ってないのに」
「でも、なんでアンブリッジは僕たちに魔法を使わせないんだろう？」
コリンが不思議そうな顔をして呟く。
ジニーは肩を竦め、「わからないわ」と答えた。
Aにとっても分からないことだった。
今はそれよりも、アンブリッジに対する嫌悪感の方が昂っていたからだ。
「私、あの人嫌いだわ」
ジニーが嫌々げに言う。
Aもコリンも頷いた。
・・・・・
コリンとジニー、Aが大広間に入ると、夕食のごちそうがいつものように各々のテーブルにずらりと並べられていた。
コリンはグリフィンドールのテーブルに、弟のデニスを見つけ、駆けていく。
「なあ、A」
Aとジニーがグリフィンドールのテーブルに座った時、少し離れた向かいに座るロンが声をかけてきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
