episode285 ページ35
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まだ口をつけてもいなかったクランペットを手に持つ。
すると、ハーマイオニーに袖を引かれた。
「A、あなたからも言ってちょうだいよ。あの二人、最近度が過ぎてるもの」
ハーマイオニーがぷんぷんして言った。
「ええ……分かったわ。うん、やってみるわね」
Aはそんな気のない返事をして、フレッドとジョージの後を追って行く。
だが、例え自分が二人に言ったとしても、二人がそれを止めるとは思えなかった。
それにAは、二人を応援したいと思っていたので何か言うつもりも起きなかった。
・・・・・
同日の変身術の授業。
変身術の教室ではマクゴナガルの厳かな声が響いていた。
「＿＿いいですか？ワン、ツー、スリー、フェラベルト。さあ、やってごらんなさい」
マクゴナガルの号令で生徒達は机に置かれた鳥、一人はねずみやカエルに一斉に呪文をかけ始めた。
Aも用意された緑の鳥に、真っ黒な杖を向ける。
近くに居たコリン・クリービーの鳥がばさばさと羽を広げ騒ぐので、ジニーがうっとおしそうにコリンを見た。
「フェラベルト。杯になれ」
Aが放った呪文は、瞬く間に鳥をゴブレットに変えた＿＿わけではなかった。
何も起こらず、机の上にいる鳥にも変化は見られない。
「……フェラベルト。杯になれ」
Aは首を傾げ、もう一度呪文を口にした。
だが、鳥は机の上で逃げないように置かれているエサをついばむだけだった。
「＿＿フェラベルト！杯になれ！』
もう一度Aが呪文を大きく口にした時、真っ黒な杖の先から大きな火花がばちばちと飛んだ。
近くにいたコリン・クリービーが飛び上がり、教室全体がAの方を向く。
Aも火花に驚いて身構えた。
「何事ですか！」
マクゴナガルが声を上げて、Aの元へとつかつかやってくる。
Aはおそるおそる、机の上の鳥を見た。
だが、鳥はなんともなっていない。
むしろ、先程と同じように、何事もなくエサをついばんでいるだけだった。
「何があったんです？」
マクゴナガルは、少々困惑した様子でAにもう一度聞いた。
Aは動転しながらも、「大丈夫です」とだけ答える。
火花を散らせたAの真っ黒な杖、そして、鳥にも傷ひとつ付いていないようだった。
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
