episode276 ページ26
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「Aこそ、あんなスピーチをずっと聞けてたのか？」
フレッドが聞く。
「まさか」とAは肩を竦めて答えた。
アンブリッジのスピーチの間、Aの興味はパイのカスに行っていたのだから、もうすでにアンブリッジが何を言っていたのか、覚えてなどいなかった。
グリフィンドールの談話室に続く廊下を歩き、「太った婦人」の肖像画の前で四人は足を止める。
「私、新しい合言葉をまだ教えてもらってなかったわ」
Aは、そこで初めて新しい合言葉を知らないことに気づいた。
「俺たちもまだ聞いてないな」とフレッドが言う。
「合言葉は？」
「太った婦人」がA達を鋭い目で見つめて問うた。
Aと双子達は困った様に顔を見合わせ、どうしようかと言う表情を浮かべる。
「俺、知ってるよ」
すると、双子の後ろで、寝ぼけ眼のリーが言った。
「ミンビュラス ミンブルトニア」
リーはAの隣に来ると、「太った婦人」の肖像画を見もせずに合言葉を告げる。
「太った婦人」は満足げに頷き、肖像画の扉を開けた。
「いつ聞いたの？」
Aが気になってリーに聞いた。
馬車の中からずっと一緒に居たので、リーがいつ合言葉を耳にしたのか気になったのだ。
「馬車を取ってるとき、ハ＿＿ハ＿＿ハーマイオニーから聞いたのさ……」
リーは欠伸をしながら言った。
四人は開かれた肖像画の後ろの壁に現れた丸い穴をよじ登り、グリフィンドールの談話室へと入る。
談話室はいつもどおりに、A達を暖かく迎えてくれた。
火格子の上で暖炉の火が楽しげに爆ぜ、その前には何人かの寮生が、寝室に行く前に手を暖めていた。
談話室に広がっている暖炉の火の暖かさが、冷えたA達を包む。
リーは眠気の限界が来たのか、ベッドに行くしかもう頭になかったようで、早々に男子寮へと上がって行った。
「A、これ見ろよ」
ふと、フレッドがAの目の前に、ある紙を突き出して言った。
Aはその紙を見る。
ポケットに入れていたのか、紙の端はくしゃくしゃだったが、それよりもその紙の内容にAは目を向けた。
『ガリオン金貨がっぽり！』
“小遣いが支出に追いつかない？ちょっと小金を稼ぎたい？
グリフィンドールの談話室で、フレッドとジョージのウィーズリー兄弟にご連絡を。
簡単なパート・タイム。ほとんど骨折りなし”
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
