episode267 ページ17
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一年生は目に沢山の涙を溜めていたが、我慢しているのか何度も頷いた。
「ごめんなさい。私から謝るわ。＿＿さあ、行って。一年生は向こうよ」
Aは最後に一年生の頭を撫で、一年生が集まる群れを指差して言う。
一年生は、「ありがとう」と小さく言うとその群れへと駆けて行った。
Aはその後ろ姿を見送ると、ドラコに向いた。
「どういうつもり？ドラコ、あなた最低よ」
Aは嫌悪の目をドラコに向ける。
ドラコはAの視線を見ると、不愉快そうに眉を寄せた。
「兄に対してそんな生意気な口を聞くな」
「生意気？これが？ドラコがあんなことしなければ、私だってこんなこと言ってないわ」
Aの記憶の中では、兄はこんなに意地悪では無かったと思っていた。
ドラコが変わってしまったのか、Aがドラコを知らなかったのか。
ドラコはAの言葉を無視し、馬なしの馬車に乗り込む。
クラッブとゴイル、パンジーが馬車に群がる二年生を押し退け、それに続いた。
「＿＿乗れ」
ドラコがAに言う。
「どうしてこの子も一緒に乗るのよ？」
すかさず、パンジーが明らかに不機嫌そうな表情で言った。
「汽車でも一緒に乗ってたじゃない。私、もう嫌よ」
パンジーが耐えきれない様子で言った。
だが、ドラコはパンジーに目を向けず、Aを見ていた。
「なら、ありがたく、私は別の馬車に乗らせてもらうわ」
Aがそう言うと、パンジーは満足そうに口角を上げる。
ドラコは何か言いたげだったが、Aが乱暴に馬車の扉を閉め、ドラコ達の馬車から離れた。
馬車はドラコ達を乗せて進み始める。
「どうして急に構うようになったの？」
揺れる馬車の中でパンジーが、隣のドラコに問い詰めた。
クラッブとゴイルも気になるようで、ドラコを見る。
「前はあんなに無関心だったじゃない＿＿」
「無関心だったわけじゃない」
ドラコは苛ついた声色で、パンジーの言葉を切った。
パンジーがたじろぐ。
パンジーはまだ問い詰めようとしたが、ドラコは馬車の窓に目をやり、パンジーを見ようとしなかった。
それを見たパンジーは口を結ぶ。
ドラコは窓の外を見つながらも、先程のAに向けられた嫌悪の目を思い出し、眉にシワを刻んだ。
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
