episode263 ページ13
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まだ誰も居ないコンパートメントへ連れられたAは、中へと押し込まれ、クラッブとゴイルが逃げられない様にする為か、扉側の席へと腰掛ける。
Aは窓側の席に座らざるを得なかった。
すると、すぐにドラコがやってきて、コンパートメントの扉が開かれた。
「じゃあ、僕は監督生の仕事があるから、大人しくしとけよ」
逃げずにちゃんと居るAを確認すると、ドラコはAに言った。
Aは返事もせず、顔を逸らす。
ドラコは溜め息を吐いて、コンパートメントから出ていった。
警笛が鳴る。
まだホームにいた生徒達が、急いで汽車に乗り込む音が、騒がしく廊下を満たす。
すぐに汽車が動き出した。
汽車は速度を増し、揺れるコンパートメントで、Aは扉側に座るクラッブとゴイルをむすっとした顔で見つめていた。
クラッブとゴイルは困った様に、Aの視線から目を逸らし、眉を下げる。
そんなことをしばらくの間していた時、車内販売のカートが近づいて来たのか、すぐ近くの廊下が騒がしくなっていた。
クラッブとゴイルが車内販売が来たことに表情を明るくし、コンパートメントの扉から顔を覗かせた。
Aはその様子を見て、何か思いついたのか立ち上がる。
「＿＿何か買ってこないの？」
Aはふと、クラッブとゴイルに聞いた。
クラッブとゴイルは、慌ててコンパートメントの中へと戻る。
しかし、車内販売が気になるのか、視線は廊下へと向けられるばかりだ。
「買ってくればいいじゃない」
Aが言った。
「でも、ドラコが君のことを見張ってろって……」
クラッブが言う。
ゴイルがこくこくと頷いた。
「私、逃げないわ」
Aは微笑んで言う。
「だから、何か買ってきたら？」
クラッブとゴイルはAの言葉に、お互いに顔を見合わせる。
「私、待ってるから。ちゃんと」
Aは、強調するように言った。
すると、クラッブとゴイルは食欲には勝てなかったのか、すぐにコンパートメントを飛び出して行った。
Aは急いでトランクを抱え、コンパートメントを出る。
クラッブとゴイルに気づかれない様、車内販売のカートとは反対側の通路を進み始めた。
揺れる汽車に足をもつらせながらも、Aは早足で友人達のいるコンパートメントを探し始めた。
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恂(プロフ) - 黄緑さん» コメントありがとうございます🙇♀️楽しんで読んでいただけている様で、嬉しくなりました！ありがとうございます☺️ (2022年3月26日 21時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 逆ハーものが大好きなのでフレジョに愛される夢主に萌え転がりました…逆ハー最高です… (2022年3月26日 20時) (レス) @page28 id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年3月5日 22時
