episode60 ページ10
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「……ったく、容姿は大人びても中身は子供だよな」
「あなたにだけは言われたくないわね」
減らず口を叩くAに、ダンは舌打ちをする。
Aは、自分よりいくらか背の高いダンを睨み付け、その場を離れようとした。
だが、ダンはAの手首を掴み制止する。
「おい、どこにいくつもりだ？」
「離して」
ダンの手を振り払おうとしたが、失敗に終わる。
彼との力の差は歴然としていた。
仕方なくその場に残ると、ダンはAの手首を掴んだ手を離す。
ダンは、ダームストラング専門学校の五年生である。
茶髪の髪は短く、目はつんと吊り上がっている。
特徴的なのは彼の大きな鼻だ。
体は筋肉質で、ホグワーツの五年生よりも背が高い。
「ダームストラングでは、紳士のふるまい方も学べないのね」
「……なんだよ、まだあんな昔のことで怒ってるのか？」
「怒ってないわけないでしょ」
「ただ屋敷しもべをちょっと蹴っただけじゃないか」
「ちょっとじゃないわ。今も傷が残ってるもの」
ダンは苛ついて頭を掻く。
ダンが蹴ったというのは、屋敷しもべのビーディだった。
Aとダンが初めて会った時、彼はおどおどしていたビーディが気に入らないという理由で、ビーディを蹴り上げたのだ。
その拍子にビーディは壁に叩きつけられ、飾ってあった絵画の額縁で頬を切ってしまった。
見かけよりも深い傷だったらしく、うっすらではあるが今でも傷は残っている。
友人のビーディを傷つけられたAは怒った。
ルシウスの制止が無ければ飛びかかっていたことだろう。
ルシウスはダンに注意はしたものの、彼を咎めることはしなかった。
とても悔しい思いをしたのを今でも覚えている。
「なあ、俺はお前と仲良くしたいんだぜ？」
「私はあなたと仲良くしたくない」
「将来を誓い合った仲なんだから」
「お父様とあなたのお父様が勝手に誓っただけよ」
「でも、お前は俺と結婚することになる。そうだろ？」
何も言い返せなくなったAに、ダンはふっと鼻で笑った。
彼の言ってることは間違ってない。
いくらAが彼との結婚を嫌がっても、両親はそれを許さないだろう。
どう足掻いても不可能に近いことは分かっていた。
Aは拳を握り、強がり混じりに言う。
「あなたの妻になるなんて、死んだ方がマシね」
・・・・・・・
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恂(プロフ) - アイさん» こんばんは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉感謝します☺️これからもお楽しみいただけるように頑張ります☺️ (2022年1月11日 22時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しみに読ませて頂いています！主さんのペースで頑張って下さい😊 (2022年1月11日 22時) (レス) @page28 id: 115c24b020 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 犬好きさん» こんばんは。コメントありがとうございます！そう言って頂けて何よりです☺️これからもよろしくお願いします😌 (2022年1月5日 0時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
犬好き(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて大好きです！！ (2022年1月5日 0時) (レス) @page8 id: 1f2d5471d2 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 姫唆さん» こんにちは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉…感謝します☺️これからもこの作品をよろしくお願いします😌 (2022年1月4日 9時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恂 | 作成日時：2022年1月1日 0時
