episode83 ページ33
.
「ちと、おめえさんに話があってな」
ハグリッドは大きな手を口元に当てて囁き声で言う。
「ハーマイオニーのことなんだが……ロンとのことは聞いちょる。お前さんのこともな」
ハーマイオニーはロンと大喧嘩したことを、ハグリッドに相談していたようだ。
ハリーとロンと一緒に居れなかった最近は、友人であるハグリッドの元に行っていたのだろう。
ハグリッドは囁き声で続けた。
「お前さんに嫌な態度をとっちまったってな。それに、ロンとのこともあってハーマイオニーはずいぶん気が動転しちょる」
Aはハグリッドの話に真剣に耳を傾けている。
「ハーマイオニーのこと、許してやってほしいんだ」
「ハグリッド、私ハーマイオニーのこと怒ったりしてないわ」
Aは少し笑いながら答えた。
ハーマイオニーはAが怒っていると感じ、ずっと気にしてくれていたのだろう。
「ありがとう、ハグリッド。＿＿私、てっきりハーマイオニーに嫌われちゃったのかと思ってたの」
「そんなこたありえねえ！ハーマイオニーはお前さんのことを大切な友達だとおもっちょるよ」
ハグリッドの言葉に、心が温かくなるのを感じた。
ハーマイオニーがそう思ってくれていたとは。
Aは安堵した。
ハグリッドが「おっといけねえ！バックビークに餌をやんなきゃいけねえ時間だ。またな！」と大きな懐中時計を取り出し、その場を去っていった。
すると、噂をすればなんとやら、そこへハーマイオニーが大広間からやって来た。
おそるおそるAに近付き、俯きがちにAに声を掛ける。
「ああ、ハーマイオニー」
「A……私」
「いいのよ、私、怒ってないわ」
もごもごと言いづらそうに口を動かすハーマイオニー。
ハーマイオニーが言葉を紡ぐ前に、Aはハーマイオニーの手を握り、微笑んだ。
ハーマイオニーの言いたいことはよく分かっていた。
「今ね、ハグリッドに聞いたの。ハーマイオニーが、私のこと大切な友達だと思ってるって」
ハーマイオニーがすすり泣き、ローブに涙の跡が広がった。
泣き始めてしまったハーマイオニーにAは慌てる。
「泣かないで、ハーマイオニー」
「ほんとうにごめんなさい……」
ハーマイオニーがAを抱きしめる。
おろおろとしながら、ハーマイオニーの震える体を抱きしめ返した。
・・・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恂(プロフ) - アイさん» こんばんは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉感謝します☺️これからもお楽しみいただけるように頑張ります☺️ (2022年1月11日 22時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しみに読ませて頂いています！主さんのペースで頑張って下さい😊 (2022年1月11日 22時) (レス) @page28 id: 115c24b020 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 犬好きさん» こんばんは。コメントありがとうございます！そう言って頂けて何よりです☺️これからもよろしくお願いします😌 (2022年1月5日 0時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
犬好き(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて大好きです！！ (2022年1月5日 0時) (レス) @page8 id: 1f2d5471d2 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 姫唆さん» こんにちは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉…感謝します☺️これからもこの作品をよろしくお願いします😌 (2022年1月4日 9時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恂 | 作成日時：2022年1月1日 0時
