episode82 ページ32
.
その目線を気にせずに、ロンはハリーと話している。
時折聞こえる、ホグズミード、という単語にAは反応した。
「……ホグズミードに行く気？」
Aの問いかけに、ハリーはぎくりとする。
ちらりとハーマイオニーがハリーを見た。
「君もあいつみたいにハリーを止めるのか？」
ロンがむっとした顔をして、ハーマイオニーに聞こえない様に声を落として言う。
あいつ、と口にした時にハーマイオニーをちらりと見た。
まさか本当に行こうとしているとは思わず、ロンの言葉にAは眉を寄せる。
「行かないよ、僕。ホグズミードには行かない」
ハリーはハーマイオニーに聞こえるように、わざとらしく声を上げる。
ハリーを見ていたハーマイオニーの目が、広げてある教科書に移された。
それを確認してロンが口を開く。
「ハリーはまだ何も見れてないんだ。ゾンコの店だって満足に見れてないんだよ」
言い訳する様にロンは言ったが、Aは呆れて溜め息を吐く。
ブラックが迫っている危険を知りながら、見て見ぬふりをしろと言うのか。
「……ハリー、今ホグズミードに行くのは危険よ。ロンも、この前のことを忘れたわけじゃないでしょう？」
ハーマイオニーに聞こえない様、Aも声を落として言った。
ハリーもロンも、わかっているはずだろう。
シリウス・ブラックが刻々と命を狙いに来ているのを。
ハリーとロンは何も言えずに口ごもる。
「ハーマイオニーだって、あなた達のことを心配して言ってくれたのに、それを無下にするつもり？」
「そんなんじゃないよ、ただ……」
「僕、寮に戻るよ」
ロンの言葉を遮ってハリーは立ち上がった。
Aはハリーの言葉に頷き、満足げに朝食にありつき始める。
ロンがハリーを驚いた目で見る。
ハリーはそのまま大広間を後にする。
ハーマイオニーがハリーが寮へと向かうのを確認しようと、ハリーの後を追った。
Aは気付いていなかった。
ハリーがロンに目配せしていたことを。
・・・・・
Aが朝食を取り終え、廊下に出た時、そこにはハグリッドが居た。
どこからかの帰りの様で、Aに気付くと何かを思い出したような表情をする。
ちょいちょいと手招きされ、廊下の隅へと来るように促された。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恂(プロフ) - アイさん» こんばんは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉感謝します☺️これからもお楽しみいただけるように頑張ります☺️ (2022年1月11日 22時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しみに読ませて頂いています！主さんのペースで頑張って下さい😊 (2022年1月11日 22時) (レス) @page28 id: 115c24b020 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 犬好きさん» こんばんは。コメントありがとうございます！そう言って頂けて何よりです☺️これからもよろしくお願いします😌 (2022年1月5日 0時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
犬好き(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて大好きです！！ (2022年1月5日 0時) (レス) @page8 id: 1f2d5471d2 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 姫唆さん» こんにちは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉…感謝します☺️これからもこの作品をよろしくお願いします😌 (2022年1月4日 9時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恂 | 作成日時：2022年1月1日 0時
