episode78 ページ28
.
「フレッドとジョージも本当におめでとう、お疲れ様」
フレッドとジョージにも労いの言葉を掛けると、二人は照れた様に笑った。
すると突然、二人はAをぎゅっと抱きしめる。
「わっ！？なに？」
Aはぎょっとしたが、離れる暇も無く、抱きしめられる力は強められる。
強められた力に抵抗はせず、大人しく抱きしめられた。
「いえーい！勝った勝った勝った！」
「優勝杯も今年は間違い無し！」
「ちょっと！苦しい！」
Aを抱きしめたまま、フレッドとジョージは軽く飛ぶように喜んだ。
嬉しそうに今日の勝利を喜ぶフレッドとジョージだが、耳元で叫ばれているために耳が痛い。
それに、苦しいほどに抱きしめられているため身動きも取れず、フレッドとジョージの背中を強く叩く。
すると、けらけらと笑い、やっと抱擁から解放してくれるフレッドとジョージ。
「「よーし！」」
Aから離れたフレッドとジョージは、意気揚々と机の上に飛び乗り、持ってきたバタービールの瓶で曲芸を始めた。
Aや他の寮生が更に盛り上がった。
ふと、Aはいつの間にか頬が熱くなっているのを自覚する。
熱が籠り、顔が火照っている。
談話室の中が暑かったのだろうかと思ったが、それもまた違うような気がした。
「お熱いねえ」
頬に手を当て、熱を確認しているAの隣にやって来たリー。
にやにやと顔を綻ばせ、意味ありげに言った。
「リー、お熱いってどういうこと？」
「そのまんまの意味さ」
「……違うわよ、リー」
「何が違うんだい？」
リーの言葉を否定するAだが、何が違うのかと問われてしまえば、何も言えずに口ごもった。
口ごもるAに、リーは余計にやにやとした笑みを見せる。
「もう！その顔やめてよ！」
「ははは、ごめんごめん」
リーの表情に耐えきれなくなったAが、リーを怒った。
リーはけらけらと笑い、曲芸をしているフレッドとジョージに目を移す。
「……もの」
「え？」
Aが小さな声で呟いた。
聞き取れなかったリーは、もう一度聞き返す。
だが、Aはそのまま答えなかった。
「なんだよ、気になるだろ！」
「なんでもないってば！」
リーは答えないAに口を尖らせる。
Aは赤くなった顔を隠す様に俯いた。
“フレッドとジョージが私を好きなわけないもの”
・・・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恂(プロフ) - アイさん» こんばんは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉感謝します☺️これからもお楽しみいただけるように頑張ります☺️ (2022年1月11日 22時) (
レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しみに読ませて頂いています！主さんのペースで頑張って下さい😊 (2022年1月11日 22時) (レス) @page28 id: 115c24b020 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 犬好きさん» こんばんは。コメントありがとうございます！そう言って頂けて何よりです☺️これからもよろしくお願いします😌 (2022年1月5日 0時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
犬好き(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて大好きです！！ (2022年1月5日 0時) (レス) @page8 id: 1f2d5471d2 (このIDを非表示/違反報告)
恂(プロフ) - 姫唆さん» こんにちは。コメントありがとうございます！嬉しいお言葉…感謝します☺️これからもこの作品をよろしくお願いします😌 (2022年1月4日 9時) (レス) id: db0672b5d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恂 | 作成日時：2022年1月1日 0時
