となりの宮くん【宮侑】 (ページ5)

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おとなりさん。5 ページ5

「なあ。」

席についてすぐ、宮くんに話しかけられた。

『なに？』

「サムとは仲良えのに、なんで俺とは普通に話してくれへんの？」

机に頭を伏せながら少し拗ねたように言う宮くん。

『ふ、普通だよ...』

「ちゃう。全然ちゃう。」

ばっさり嘘を見抜かれた。

『...まだ、会ったばかりで慣れてないし...』

これは本当。

私人見知りだし。

「...じゃあどうやったらはよ慣れるん？」

『ええ、そんなのわかんないよ...』

そもそもはよ慣れるの意味がわからないし。

慣れるって時間かけて慣れていくものでしょ？

すると突然宮くんは席を立って私に近づいてきた。

『えっ、み、宮くん...？』

そして、ガッと私の肩を掴んだかと思うと、ぐっと私と同じ目線になるまで腰を屈めた。

鼻と鼻が触れそうな距離感だ。

ち、近い...

「............」

なにも言葉を発さずに、ただ無言で見つめられる。

『あの、宮くん...！』

これ以上はキャパオーバーだと、声をあげてバッと目を反らした瞬間。

パッと肩に置かれていた宮くんの手が離れ、自分の椅子に座った。

『え......？』

「ど？慣れた？」

....荒治療すぎる...！！

むしろ悪化したわ！！！

そう抗議したかったが、恥ずかしさと驚きが一気にきて、口をパクパクして顔を赤らめることしかできなかった。

「へえ、そんな顔もするんや。」

ニタリと妖艶に笑う宮くん。

その顔似てるし少し見とれてしまった。

何も言えず硬直していると、ちょうど授業開始を告げるチャイムが鳴った。