【あんスタ】誠に僭越ですが！！《七種茨》（１５-２）

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そして、ひとこと。





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燐「ありがとな、一彩」





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その優しい声に釣られ、


照れ臭そうに視線を上げる一彩。





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一「そんな、僕は大したことはしていないよ」





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一「兄さんたちがっ…、」





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一「っ…………、」






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しかし、返す言葉に詰まった。





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それを“誤魔化す”かのように


一彩の頭を燐音はぐしゃぐしゃに撫で回す。





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元から癖のある髪が、


更にくしゃっと崩される。





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一「わっ、急に何をするんだよ、兄さんっ」






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燐「キャハハッ…☆」








燐「おに〜ちゃんは帰り支度があるからよォ、お前もさっさと帰れよなァ♪」





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ケタケタと、“いつもの調子”で笑いながら。






一見、スキップをしながらの


機嫌が良い足取りにも見えたが、


逃げるようにこの場を去った様にも見えた。





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一「…………、」








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燐音の後ろ姿を見つめ、


一彩は困惑していた。






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そんな一彩に、そっと近付いたのはニキだった。







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一「椎名さん、」






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一「どうして兄さんは、泣いていたんだろう？」







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一「やはり、勝ち負けがついてしまったことが悔しかったのかな？」






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『泣いていたんだろう？』に続く言葉が


実に一彩らしい内容で、


ニキは内心、微笑ましく思った。





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椎「ん〜、そうっすねぇ」





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椎「僕は燐音くんのこと、そんな1から100まで知ってるわけじゃないし、知りたくもないっすけど、」







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椎「燐音くんも、“男の子”ってことっすかね」







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そう言ってニキは、あんずからもらったガムで


器用に風船を膨らました。






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