。。。693 ページ20
YOU
−−−−−
.
「マイクの音量、全体的に5から6上げください」
「後方席にエコーがかかるのを極力抑えてもらいたいです」
「曲中はスイッチング不要でお願いします」
.
.
音響スタッフとも細かい最終確認をする。
.
.
燐「お前も少しは休めっての」
.
.
ひと通り話し終えたタイミングで、
天城くんから声がかかった。
.
.
「うん、そうだね」
.
「何か飲み物でも買ってこようかな」と
手元の資料を見ながら、
天城くんを流し気味に相づちを打った。
.
.
燐「甘いな」
.
「…え?」
.
.
そう言って、天城くんは私に向かって
ペットボトルを放る。
.
.
「…!」
.
.
反射的に顔を上げて、咄嗟にそれを受け取る。
「物を投げない!」と私が注意すると、
天城くんはケラケラと、声を上げて笑った。
.
.
燐「お前が“そんなん”で、どーすんだよ?」
.
「…は?」
.
.
ありがたくそのミネラルウォーターを
戴こうとすると、天城くんが言う。
.
.
燐「だから、お前がそんなんでどーすんだっつってんの〜」
「そんなんで…って、」
.
.
燐「今のお前、あんまり楽しそうじゃねェのな」
.
「…………、」
.
.
そう指摘されて、ギクッというか
なんかこう、胸の辺りがグッと詰まるというか、
変な感じになる。
いわゆる、図星のような
そうじゃないような。
.
.
「そりゃあね、」
「ステージを使えるのは今しかないし、今日しかみんなを見てあげられない」
「それなりに慌ただしくはなるよ」
.
.
変な風に悟られないように、
取り繕った受け答えになる私。
.
天城くんは、なんだかんだ鋭い。
こんな“誤魔化し方”が通用するのか
正直微妙なところだけど、
そんな私に対する天城くんの反応が
更に斜め上を行く。
.
.
燐「慌てっちまってる“プロデューサーちゃん”に、」
.
燐「燐音くんからひとつ、気の利いた提案があんだけど?」
.
.
827人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じまさき(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!そちらの方とあとはぷらいべったーでの更新も考えていますので、お待ちいただければ幸いです* (2022年11月12日 0時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - また私の我儘になってはしまうんですが、make love(?)の方も書いて頂けたらと思います!何度もすいません🙇♀️ (2022年10月11日 23時) (レス) @page47 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。完結後のその後のエピソードは書きたいなとは考えているので、実現させたいと思います…!貴重なご意見ありがとうございます* (2022年10月11日 23時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️このお話が完結したらこのお話の番外編みたいなのが読みたいなと思っています。私の我儘ですがじまさきさんがよければお話しを作っていただきたいです。 (2022年10月2日 0時) (レス) @page45 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じまさき | 作成日時:2022年6月12日 23時