【あんスタ】誠に僭越ですが！！《七種茨》（１２）

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JUN






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アンサンブル・スクエアで


簡単な用事をこなして、


今日はさっさと帰ろうと思い


帰路についていた俺。








セゾンアヴェニューは、


秋をすっ飛ばして、すっかり冬の装いだった。







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漣「っ、さみっ」






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制服のジャケットだけじゃ、


何だか肌寒い今日この頃。







帰ったら学園指定のコートを


引っ張り出そうかなと思いつつ。






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この“物寂しさ”は、


季節の移り変わりにだけよるのものなのか……。






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なんて、余計なことを考えたり。






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漣「…あ、」






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ふと、その時


向かいからやって来た人物に対し


俺は間抜けな声をもらす。






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伏「おや、漣さま」






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漣「…どうもっス」






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伏「お帰りでいらっしゃいますか？」








漣「えっと、まぁ…はい」








伏「玲明学園の学生寮はやや遠方と伺っております」








伏「今後星奏館に入られるご予定などはあるのですか？」








漣「どう…っスかねぇ」







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にこやかで愛想の良い伏見さんに


俺は何とも味気無い態度しか取れなかった。





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それもそのはず。





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伏見さんは確か、茨の昔馴染。






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だから、伏見さんが何か言うたびに


茨の影がちらついて……。






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伏「“心ここにあらず”といったご様子でいらっしゃいますね？」






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漣「え…？」






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伏「何か、気がかりなことでも？」







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まさか、そんなことを言われるなんて思ってなかった。









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だけど、それを“図星”のように感じてしまった俺。






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漣「べっ、」





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漣「別に何もないっスよ…！」






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咄嗟に取り繕って、


逃げるようにこの場を離れた。








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