・ ページ7
.
『えっ……え？』
横｢あー、俺が呼んでん。最近会うてないって聞いてたから｣
黒縁眼鏡をかけた、プライベートモードな侯くんが腕を組みながら私に説明する。
いや最近会ってないってのは、さっき亮ちゃんとも話題になりましたけれども……
なんというか……タイムリー。
村｢まあ、とりあえず座り｣
信ちゃんに言われて、空いていた侯くんの隣の和座椅子に腰かける。
付けていたマスクをとって、既にテーブルに置いてあったお冷を1口飲んだ。
村｢とりあえず何か頼もうや｣
『うん……』
渋｢A、酒は？飲むか？｣
『うん……』
横｢……A？｣
『うん……？』
侯くんは不思議そうな顔で私を見ていた。
信ちゃんとすばるくんの方を見ると、2人ともなんとも言えない表情。
横｢……A｣
『な、なに？』
横｢もしかして緊張しとる？｣
ぎくっ
村｢下ばっかり見とるしなぁ｣
渋｢なんや、"うん" しか言うとらんかったぞ｣
ぎくぎくっ
『……緊張、してます』
バレた。
必死に隠そうと思ってたのに、一瞬でバレました。
村｢いや、緊張する必要ないやんか｣
『だ、だって久し振り会ったんだよ？』
渋｢ええやん、嬉しくないんか？｣
『すっごい嬉しいよ！会いたかったし！』
横｢なら良かったやんけ｣
そうだけど……そうじゃないんだよ。
なんて言うんだろ、この感じ……
『3人ともさ、私にとっては凄い憧れ的な存在で……昔はしょっちゅう遊んでもらってたけど、いざ大人になって久しぶりに会うとなると、その……』
侯くんはお兄ちゃんだからちょくちょく会ってはいたけど、それでも3人が並ぶときらきら輝いて見えるのは違いない。
横｢ほーん…"憧れ"｣
渋｢なんや、A俺らに憧れてたんか｣
……あれ、私をさらっと気恥しいことを言ってしまったのでは？
斜め向かいに座るすばるくんがニヤニヤして私の顔を見る。
あ、これは今後話のネタにされるやつだな、うん。
『そーですよ、憧れてますよ。小ちゃいときから憧れてましたよーだ』
村｢あーほら、A拗ねてもうたやん｣
渋｢はは、すまんすまん｣
横｢ほら、A頼むもん選び｣
あー、そうだな…この感じ。
昔からいじられて、甘やかされて……
愛されてるんだなぁ、私。
なんて自分で思っちゃったり。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 521人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミッキーナ - 思いきっていくぞ (2022年4月21日 16時) (
レス) @page1 id: a7073e1cbf (このIDを非表示/違反報告)
あじま(プロフ) - 紗さん» コメントありがとうございます！不定期更新になってしまい本当に申し訳ないです……(;_;)これからも読んでいただけたら嬉しいです！^^ (2019年10月2日 21時) (レス) id: 9019a7eb22 (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - はじめまして！とってもおもしろくてあっという間に読みました！！続きが楽しみです！更新楽しみにしてます！^ ^ (2019年10月2日 6時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - これから全て読ませていただきます。楽しみに待っています。 (2019年9月27日 1時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - ありがとうごさいます(；；)もちろん全て拝見させていただきます！！！更新頑張ってください！！ (2019年9月23日 16時) (レス) id: 499224cb91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あじま | 作成日時：2019年9月6日 19時
