横山兄妹は芸能人。

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『お兄ちゃん、Aたちもブランコ乗ろ！』




ヒナとすばるがブランコに乗ってるのを羨ましく思ったのか、Aは俺の手をひいてきた。


Aはブランコに乗る時、必ず俺を最初に乗せ、その膝の上に座ろうとする。

いわば2人乗り。





横「A、ほんまにブランコ好きやな」


『うん！好き！』


渋「A、すばるお兄ちゃんの膝も空いてんで」


村「お、信五お兄ちゃんも空いてんでー」


『？2人はAのお兄ちゃんやないで？』


渋「え、A知らんの？」





すばるはそう言うとニヤニヤ笑い始めた。

これは何か悪いことを企んでる時の……





渋「血繋がってなくてもな、"お兄ちゃん" って呼んでええんやで」





あれ、

すばるのことやからAに変なこと吹き込むかと思ったんやけど、意外とまともなこと言ってるわ。


______その時、そう安心してた俺がアホやった。






『えぇ！そうなん！？』


村「まあそれは確かにそうやな笑」


渋「そうやで、むしろ仲良い奴には "お兄ちゃん" って呼ばな失礼なんやで」





ん？

すばるはそう言うと「俺とかヒナみたいな奴な！」と付け足した。





『え、じゃあAは今まですばるくんと信ちゃんに "失礼"
やったん？』


渋「おん、Aが俺らのこと全然 "お兄ちゃん" って呼んでくれへんから悲しかってん……な！ヒナ」


村「え、えぇ！？……そ、うやな」





……とんだ嘘つきやん。


何が "お兄ちゃん" って呼ばな失礼やねん。

どこの国のルールや。





横「あのなA、それは……」


『でも、そしたらA "お兄ちゃん" いっぱいやん。誰のこと呼んでるか分からなくなってまうで？』


渋「そこはニュアンスやろ！」


『にゅ……にゅあ……？』


渋「ものは試しや！呼んでみ」





あかん、止められへん。


すばる、何でそこまで "お兄ちゃん" に固執してん。

ヒナもヒナで悪ノリしてるし……





『お兄ちゃん！』





Aも素直に呼んでもうてるし……

その時、すばるが俺を見てニヤリと笑った。




そして俺は思い出した。

こいつが前に「"お兄ちゃん" ってええよなー。俺もAに呼んでもらいたいわぁ」と俺に羨ましそうに言ったことを。


すばる、もしかしてAに "お兄ちゃん" って呼んでほしいからこんな嘘ついたんか……？





渋「そう！その調子やで！」


『はい！お兄ちゃん！』





……なにこの状況。




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