横山兄妹は芸能人。

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それから数日経った頃やった。




『あんな、友達が言うててんけどな、やっぱ家族以外の人に "お兄ちゃん" って言わないんやって』




いつもの公園でAは俺ら3人に向かってそう言った。


まあ別に家族以外に "お兄ちゃん" って呼んでる人も結構いるやろうけど、

Aのことやからすばるの言ったことを信じて、馬鹿正直に色んな人を "お兄ちゃん" って呼んだんやろうな……


そんでAの言う "お兄ちゃん" のあまりの多さに友達が違和感を持った……って所やろ。





『そういうことやから、A、お兄ちゃん呼びやめる』


渋「……思うてたより早くばれてもうたな」


村「まあそりゃそうやろな笑」


横「今後変なこと吹き込もうとすなよ」





俺がそう言うとすばるは「へいへい」となんとも信じ難い返事をして、ヒナはただ笑ってるだけやった。

……あかん、これはまた変なこと教えるんやろな。





『"すばるくん" と "信ちゃん" と "お兄ちゃん" やで』





Aが俺らを1人ずつ指差して呼んでいく。

まあ今まで通りってことやな。




横「おん、それで……」


渋「ちょお待ってや」




またすばるが口を挟む。

なんやこいつめっち喋るやん。





渋「なんで俺とヒナは名前で呼んでんのに、ヨコは "お兄ちゃん" のままやねん」





……は？





横「そりゃ俺がAの兄貴やからやん」


渋「でもヨコだけ "お兄ちゃん" 呼びのままなのはずるいやんけ！」


横「お前……何言うてんの」


村「まあ俺とすばるもAには "お兄ちゃん" って呼んでほしいからな。ヨコが羨ましいわ」


渋「ほら！ヒナもこう言ってるやんか！」


横「いや今までの呼び方に戻っただけやん」


渋「ずるい！ヨコばっかりずるいで！」


『でもお兄ちゃんは "お兄ちゃん" やし……』


村「みんな平等が1番やからな」


渋「そや！平等にせぇ！」


『びょうどう……一緒ってこと？』


村「？そやで、Aは賢いなぁ」


『……それやったら、A、"お兄ちゃん" やめる！』


横「……え？」





何やら嫌な予感がするんですが、Aさん？





『お兄ちゃんを "お兄ちゃん" って呼ばなかったら、みんな一緒やん！』


横「え、どういうこと……？」


『えっと……"きみたか" やから……侯くん！お兄ちゃんのことは侯くんって呼ぶわ！』


横「は、え、何で！？」


『これでみんな一緒やんなぁ？』





Aは満足そうにニッコリ笑った。




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