名前（橙） ページ34
.
丸｢なあなあAちゃん！隆平くんって呼んで♡｣
なんだなんだ、随分と急ですな。
両手を重ねて｢おねがーい｣なんてポーズをしてるマルちゃん。
『どうしたの、急に』
丸｢Aさん、気づいておりますかな？｣
『何がですか？丸山さん』
びしっ
と、効果音がつきそうな勢いで指をさしてくるマルちゃん。
『人に指さしちゃいけないんだー』
丸｢あっ、ごめんなさい｣
『いやだからって手を差し出されても……』
って、こんなしょうもないやり取りをしたいわけじゃないんだよ。
本題は？
.
丸｢僕だけ下の名前で呼ばれてないんよ｣
『……え、そうだっけ？』
丸｢そうやで！？｣
あー、言われてみれば。
侯くんはお兄ちゃんだし、苗字じゃないのは当たり前だけど……
すばるくん
信ちゃん
章ちゃん
亮ちゃん
忠義くん
『マルちゃん』
丸｢そう！それ！！｣
『えー、だって皆マルちゃんって呼んでたし……』
丸｢別にマルちゃん呼びが嫌なわけやないねん〜｣
え、じゃあ何よ。
と、目線で訴えてみると｢ふふんっ｣とでも言うかのようにどやるマルちゃん。
その顔、信ちゃんがうざいって言ってたよ。
.
丸｢下の名前で呼ぶとさ、彼氏感出えへん？｣
……はい？
『いや彼氏じゃないし』
丸｢あっ、そっか。僕旦那さんやったね♡｣
『……』
丸｢僕が悪かったから、その冷たい目やめて……｣
……結構どうでもいい理由だなぁ、なんて本人に言ったら面倒くさそうだから言わないけど。
いや、マルちゃんは真剣なのか？
それとも、いつものおふざけ？
これは試しに呼んでみた方がいいやつ……？
『隆平くん？』
あー、確かに恋人感出てるのかなぁ？
でも苗字で呼び合うカップルだっているよなー、なんて思いながらマルちゃんを見ると、
.
丸｢っ、……｣
『ちょ、ちょっと顔真っ赤だよ大丈夫！？』
丸｢だだだ大丈夫……やない、かも｣
『なんで！？』
呼んでって言ったのそっちだよね！？
『汗も出てきるけど！？』
丸｢……手、出して｣
『え、手？……ちょっと手汗つけないでよ！』
手を握って手汗をつけられる。
『……もう絶対呼ばないね』
丸｢なんで！？｣
『なんでも！』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 521人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミッキーナ - 思いきっていくぞ (2022年4月21日 16時) (
レス) @page1 id: a7073e1cbf (このIDを非表示/違反報告)
あじま(プロフ) - 紗さん» コメントありがとうございます！不定期更新になってしまい本当に申し訳ないです……(;_;)これからも読んでいただけたら嬉しいです！^^ (2019年10月2日 21時) (レス) id: 9019a7eb22 (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - はじめまして！とってもおもしろくてあっという間に読みました！！続きが楽しみです！更新楽しみにしてます！^ ^ (2019年10月2日 6時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - これから全て読ませていただきます。楽しみに待っています。 (2019年9月27日 1時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - ありがとうごさいます(；；)もちろん全て拝見させていただきます！！！更新頑張ってください！！ (2019年9月23日 16時) (レス) id: 499224cb91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あじま | 作成日時：2019年9月6日 19時
