鬼の子はお館様の子【鬼滅の刃】

8.産屋敷輝哉 ページ8

麓まで行くと、黒装束に身を包んだ二人の人が目に入った

母上曰く事後処理部隊隠というらしく、鬼殺隊士が鬼と戦った後の始末をする者で、その殆どは剣の才能に恵まれなかった者達なのだとか

その隠に連れられて着いたのは立派なお屋敷だった。此処が…産屋敷邸…鬼殺隊の本拠地…

あまね「こっちよ。庭で輝哉様がお待ちよ」

あ、それと母上は私に敬語を使わなくなった。親子なのだから必要ないだろうと言われたのだ

母上に連れられたのは藤の花が咲き誇る庭の片隅だった。そこにいたのは私より六つ程年上と思えるほどの少年だった

少年「やあ、君が竈門A…嫌…産屋敷Aと言った方がいいかな？」

その声を聞いた途端に、ﾄﾞｸﾝと心臓が脈打った。不思議な声だ…高揚感がある

『どちらでも構いません…』

輝哉「じゃあ産屋敷Aとして接するよ。私は鬼殺隊現当主の産屋敷輝哉だ」

現当主…？まだ十五かそこらの少年が…！？

輝哉「あまねから話しは聞いているよ。珠枝さんの事はとても残念に思うよ…Aはこれからどうするんだい？」

『この命果てるまで、鬼滅の刃を振るい続けるとこの心に誓っています』

これは母上が死んだときから決めていたことだ。今の生き方はそれしかないから

輝哉「そうかい…Aは大人びているんだね。今まで沢山頑張ったんだろう…我慢、しなくていいんだよ」

『我慢…？』

輝哉「そう。人前で泣くまいとしているようだけど、私達の前では少し気を抜くといい。私達はAの…家族なんだから」

その言葉を聞いたら自然と涙が溢れていた。まだ出るのか…

輝哉「良く、頑張ったね」

私が泣いている間、母上と輝哉様は私のことを優しく撫でて抱き締めてくれた

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