鬼の子はお館様の子【鬼滅の刃】

6.初めて ページ6

産屋敷あまねが家に来て一年という月日が経とうとしていた

産屋敷あまねはあれから月一で私達を訪ねるようになった。多いときは二週に一回。けれども母上は産屋敷あまねの話を耳を貸すこともなくずっと拒否し続けている

この家で迎える冬もこれで五回目…何時もと変わらない冬の日だった。私は炭を売りに出ていただけだったんだ

だけど、今日は雪が降っていて日が出ていなかったからなのか鬼が出たんだ


母上が殺された


辺りには赤、赤、赤…紅(あか)

『あ…は…母上!!』

急いで母上であった肉塊に駆け寄る。死んでることはわかっていた

右腕と両足が引き千切られて、腹を裂かれて内蔵が出ている。鴉が母上の内蔵をくわえて千切ったりしていたから腹の中には殆ど何も残っていなかった。目も潰れてる…顔の皮膚も剥がれて肉や骨が見えている

『うっ…』ﾊﾟｼｯ

思わず吐きそうになったのを手で押さえて制した

惨たらしい…痛かっただろ…苦しかっただろ…直ぐに助けに来れなくて…済まなかった…

『ごめんなさい…ごめん…なさい…！ご、めん…なさい…!!』

涙が溢れてやまなかった



初めて自分の目の色が嫌いになった


初めて自分の無力さに嘆いた


初めて鬼が憎いと思えた


初めて怒りと憎しみと悲しみの念を抱いた



初めて…鬼殺隊に入りたいと思った

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