シズの妹は魔王だった件【転スラ】 (ページ7)

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A達が去った裁判所では、ガゼルとベスターが話していた

ガゼル「ベスターよ」

ベスター「…っ」

ガゼル「これを見よ」

一人の警備が瓶に入った回復薬を持って来て、それをガゼルは手に取った

ベスター「そ、それは…」

ガゼル「警備隊長より余ったものを預かった。鉱山夫達の傷を完全に治したそうだぞ」

ベスター「まさか完全回復薬(フルポーション)！？そんな…ドワーフ(我ら)の技術をもってしても上位回復薬(ハイポーション)までしか作れないというのに、一体どうやって…」

ベスターはその回復薬を見て驚愕すると共に、知りたいという好奇心に満ちた瞳をしていた

ガゼル「…惜しいものだ。そのような目が出来る臣を失うことになるとは」

ベスター「!!王よ、お待ちください。私は…っ」

ガゼル「その薬をもたらしたのはあのスライムだ」

その言葉にベスターは絶句する。そして次の言葉で絶望に落とされる

ガゼル「そしてお前が殴ったその人こそ、この世界の最強たる十一大魔王の一柱(ひとり)、神の子(ゴッドチルドレン)のA・イザワだったのだ。我らドワーフ国はその魔王の庇護下にあったが、お前の行いに腹を立てその庇護が免除された。お前の行いがあのスライムとの繋がりを経ち、我らの国の庇護を経った。ベスターよ、何か言いたいことはあるか？」

ベスター「…っわ…わた、私は…」

そこでベスターは自分のしてしまった過ちに気が付いた。それは、あまりにも遅すぎるものだった

ガゼル「もう一度問おう、ベスターよ。何か言いたい事はあるか？」

ベスター「何も…何もございません。王よ」

ガゼル「そうか。王宮への立ち入りを禁止する。だがベスターよ、これまでの働き…大儀であった」

ガゼルはその場から立ち去り、暗部へ声をかけた

ガゼル「暗部よ、あの魔物(スライム)の動向を監視せよ」

暗部「は！」

ガゼル「決して気取られるなよ」

暗部「この命に変えましても」

ガゼルはリムルに対して危機感を抱いていた

彼の暴風竜の如く存在感を放ち、ガゼルでも心の深奥を除けなかったリムルを…