◯振り向いてよ ６３７ ページ40
｢さぁ浅野理事長。最後の1冊を開きますか？｣
梨みたいな顔で、殺せんせーは學峯さんに問う。
｢いくらあなたが優れていても...爆弾入りの問題集を開けばタダでは済まない｣
うん、実際殺せんせーただの梨になったもんね。
｢アンタが持ち出した賭けだぜ。死にたくなきゃ潔く負けを認めちまえよ｣
そう吉田君が調子よく言った。學峯さんは鋭い目つきで睨みつけただけだった。
『學峯さん、私達...、暗殺続けますよ』
私は初めて學峯さんに刃向かった。意味は合ってるかわからないけど、口答え的なのはこれが初めてだった。
私に続いて片岡さんがハッキリとした口調で言う。
｢私達、もし理事長が殺せんせーをクビにしても構いません｣
｢この校舎から離れるのは寂しいけど...、私達は殺せんせーについていきます｣
お淑やかに微笑みながら神崎ちゃんが言う。
そうだ。だって私達はアサシンなんだ。ターゲットを逃してどうする？
｢家出してでも、どこかの山奥に篭ってでも。僕等は３月まで暗殺教室を続けます｣
殺せんせーが感極まったように泣いていたけど、その顔じゃあ感動しようが無かった。みんなは自然と笑顔になる。その中で、静かに、重たく學峯さんは口を開く。
｢今年のＥ組の生徒は...いつも私の教育の邪魔をする。ここまで正面切って刃向かわれたのは、今年に入って何度目だろうか｣
しぃん、と微かな身動ぎさえはっきり聞こえてきそうな、正しく痛い程の沈黙が場を支配する。
｢殺せんせー。私の教育論ではね｣
す、と問題集の表紙に手をかけた。
｢あなたがもし地球を滅ぼすなら...それでもいいんですよ｣
『ばっ...！ がくほ、』
間髪入れずに學峯さんはページを、捲ってしまった。
爆発を喰らう、だなんて人生で一度も経験したことがない。というかした事がある人はこの日本では稀有な存在だ。
視界の全てが奪われて、聴力でさえ使い物にならない。全身に直接響く爆発音と衝撃。
ーーーー
(地球が無くなれば...結末は全員平等に訪れる)
(私の生徒だけが不利益を被る事も無い)
(それは...私の教育のひとつの理想だ)
ーーーー
私は、何故か今になって小さい時にした質問を、再び思い出していた。
―――ねぇ、学秀のお父さんはどうして理事長になろうと思ったの？
キィン、と爆発音の影響で耳が少し痛かった。
その中で微かに、記憶の中の學峯さんの少し寂しそうな声色と表情が、今の學峯さんと重なって見えた。
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まっきーぺん(プロフ) - 岡本 珠理奈さん» お母さんは不器用すぎてなかなか素直になってくれない人です。ですが二人の距離が縮まるとこちらも嬉しいです！浅野くんは私の大好きな人物の1人なのでそう言っていただき嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年6月21日 20時) (
レス) id: 6be91988e1 (このIDを非表示/違反報告)
まっきーぺん(プロフ) - めぐみさん» 遅れました。すみません...。取り合いは私の大好物なので……！そうなるといいですね！ (2017年6月21日 20時) (レス) id: 6be91988e1 (このIDを非表示/違反報告)
まっきーぺん(プロフ) - まりあさん» 遅れてしまい申し訳ありません。頑張りますのでよろしくお願いします！ (2017年6月21日 20時) (レス) id: 6be91988e1 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - 最近更新をされるので、嬉しいです。お母さんも変わって来ましたね…！不器用ながらに、ちゃんと夢主ちゃんを想ってる感じが伝わってきます…！…赤羽に将来苗字になってほしいなと思います。この作品で、ちょっぴり学秀が好きになりました。これからもファイトです！ (2017年6月20日 21時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 面白いです！！浅野くんとカルマくんで取り合ってほしいな！！ (2017年6月20日 7時) (レス) id: 585120ed1c (このIDを非表示/違反報告)
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