手伝います。 ページ2
ピシッ、と固まった私を見て、その人は首を傾げながらも｢本当に大丈夫か？｣と再度聞いてくる。
｢いや........ハイ........｣
コクコクと頷いて、団体から後ずさる。用件を言わないと。皆が不思議そうにこっちみてるし、早く、と思うだけ言葉が出てこない。
｢あれっ、十河さん？｣
ひょこ、と私の思考外から飛び出てきたのは、クラスでも目立っているオレンジ色の髪。
｢ひ、日向くん？｣
合ってるよね？人の顔と名前を一致させるのが下手くそな私は不安になりながら口にする。どうやら合っていたようで、矢継ぎ早に私に会話を投げてくる。
｢何しにきたの？見学？｣
｢ちが、えっと、武田先生に｣
｢武田先生がどうしたの？｣
｢プリントを渡しに来てて.....｣
｢それ！俺出すの忘れてた！！十河さん提出するの待っててくれない？！｣
｢えっ？いやそれは｣
お願い！と手を合わせてくる日向くんと、いやそれは無理でしょ、と首を振る私。周りは｢お前それ無理だろ....｣｢期末大丈夫かー？日向ー？｣とそれぞれで会話していた。誰か助けて。
｢部活終わってすぐ出すから！｣
｢え｣
｢こら、日向。困ってるだろ｣
遮ったのはかっこよかった人で、こっちを見て眉を下げて笑う。練習してた時はキリッとしてる表情なのに、こんな顔もするんだと頭の隅で思った。
｢すまん、騒がしいだろ｣
｢え、いえ........｣
｢武田先生だっけ？さっき監督と外に話に行ったから、暫くしたら戻ると思うよ｣
｢そうですか｣
｢来てもらって申し訳ないけど、ちょっと此処で待ってて貰える？｣
｢大丈夫です。待ってます｣
｢うん、その方が入れ違いなくていいし。清水か谷地さん、イス出してあげてくれ｣
｢え、そこまでしなくていいですよ｣
｢いいの。ほら。さ、お前らー、練習戻るぞー！｣
それだけ言うとかっこいい人はパンパン、と手を叩いて皆を練習に戻していった。
清水さんか谷地さんかは知らないけど、金髪ボブカットの可愛らしいマネージャーが｢どっ、どうぞっス！｣とイスを出してくれた。
｢ありがとうございます........｣
｢いえいえ！！｣
大振りに手を振った彼女は、パタパタと忙しそうにもう1人のマネージャーさん？に指示を聞いていたり、ドリンクを運んだりしていた。
........なんか、私一人こんな座ってのんびりしてて良いのかな。練習を少し中断させてしまったし。
悩んで、結局私はそっとプリントを鞄に入れて立ち上がり、イスの上に置いた。
隅で練習を見ている黒髪のマネージャーさんにそっと近寄って、肩を叩く。
｢あの、すみません、手伝います｣
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ちんすこう - 更新しないんですか？凄く楽しみ待ってます。数ある大地さんのお話の中で一番好きです！ (2020年5月12日 10時) (
レス) id: 9e27674b7b (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 草さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。そうなんですね･･･！知識不足でした、ありがとうございます。大地さん大好きなので我慢出来ずに書いちゃいました。読みやすいと言っていただけて安心しました。妬いちゃう大地さん難しかったので萌えて頂けてなによりです。 (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3e7d8a8bee (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - 早生まれは1/1から4/1で、遅生まれが4/2から12/31なので三月生まれの夢主は遅生まれではなく早生まれですね。大地さん夢珍しい上に文が読みやすいです。妬くところ大地さん普通の高校生で萌えました。 (2019年11月2日 23時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月8日 20時
