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第7話 ページ17

巡視船の兵士達は揃って甲板に棒立ちになって、遠ざかる飛行船を見ている。

姿はみるみる小さくなり、やがて見えなくなった。


「やれやれ。やってくれる。参ったね…」

「隊長!大砲の準備が完了しました!」

「もういい。とっくに射程外だよ。それに…アルテミスに逃げられてはおいそれと手出しは出来ん」


ふと思い出したようにドラグノフがこう付け足した。


「…あの小僧、素手で“ファンタジア”を使ってたな…それにあの小僧の妹、一切“ファンタジア”を使わずに魔法を使っていたな」


もう一度、飛行(てい)が消えた空に視線を送りながら小さく溜息(ためいき)をつく。


「…ツノの小僧、“ファンタジア”を扱わずに魔法を使う小娘と人格が変わる女か。まったく、これだから魔法使いは…」


一方、ドクの船の上では…


「私、頭に血が上ると人格が変わっちゃうんです」


ドクが操縦桿(そうじゅうかん)を握りしめていた。

その後ろには、太宰の異能力によって元に戻ったメリとA、セトである。


「だから、みんなに厄介がられて正規の魔法使いになれんのだぞ!」

「はい。すみません…」

「すげぇんだな、メリ!あの攻撃魔法最高だ!オレにも教えてくれよ!」

「え、ええ、教えてあげたいんですけど…私、普段は防御魔法しか使えなくて…」


「すごいすごい」と言ってちっとも話を聞いてないセト。


「そういえば…あのAちゃんのは‥どんな魔法なんですか?」

「わ、私?!えっとね…」


ドギマギしているA。


「作家を召喚できたり、その人の“力”が使える魔法だよ」

「へぇ!すごくいい魔法ですね!」

「あ、そうだドク!アルテミスには後どれくらいで着くんだ?」

「どれくらいもなにも、ほれ、もう見えてきたよ」


進行方向に向かってドクが顎をしゃくる。

つられてそっちに顔を向けると、雲の切れ端から大きな建造物が姿を現した。


「わぁ!あれが?」

「あれがアルテミス学院だよ」


右にいる兄を見ると、目をキラキラと輝かせている。


「あれが、アルマが言ってた…魔法使いの街!!」

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アルメ - え、最高 (2021年12月29日 0時) (レス) @page15 id: fe853d552b (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 夜雨ナナトさん» ありがとうございます! (2020年2月7日 21時) (レス) id: 76411a5226 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨ナナト - 八月葉月さん» ラディアンと文スト大好きなので嬉しいです!更新気長に待ってます。 (2020年2月7日 21時) (レス) id: 2e33344876 (このIDを非表示/違反報告)
八月葉月(プロフ) - ちょこれーとさん» ありがとうございます! (2019年11月5日 20時) (レス) id: c131e88534 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 面白いです!! ラディアン2期始まりましたよね!?これからも頑張って下さい!! (2019年11月3日 15時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八月葉月 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2019年2月25日 8時

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