teddy bear (ページ10)

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White Angel -shota.T- ページ10

彼は危険人物。

ーーー

ずっと聞かない様にしてた。
誰かが口にする噂も私には関係ないって。
何故、一度言葉交わして、
一度ふざけあっただけの人の事、気にしなきゃいけないの？

「Xmasは一緒に過ごそうね?」

『予定入ってるから。』

二週間前に、そう冷たい返事を彼に投げつけて、
彼と唯一繋がるLINEを切った。

何もクリスマスに私と会う必要なんてないでしょ？
翔太にはうんとたくさん可愛い人がいるじゃない。
私とじゃなきゃいけない事はないでしょ？

でも、毎日気が付くと彼の顔を思い浮かべては、
何も出来なくなってる。

あの日、翔太に会った時の赤い信号は、
二度と傷付かない様に、自分を守る為のサイン。
本当は分かってる、苦しいぐらい彼が好きな事。
赤信号にも気付かない振りをして。

日付がちょうど変わるEveの真夜中。
翔太からの着信が鳴る。

『何?』

「寝てた?」

『寝ようとしてた。』

「ごめん。」

『別にいいけど…』

「今、部屋のカーテン開けれる?」

『何で?』

「Aん家ん前に雪だるまが来ちょるとじゃけんど、
Aに直接Merry Christmasって言いたいって。」

スマホ片手にベットから降りてカーテンを開ければ、
窓の外は銀世界へと変わっていて、
ぐちゃぐちゃの雪だるまと彼が立ってた。

『何やってんの?』

「Aに会いたくて…」

さっきより声を震わせながら、
雪だるまの隣に並んで、気付いた私に手を振っている。

突然ずっと空っぽだった心の中が、
誰かを想う気持ちでいっぱいになるその戸惑い、
ねぇ？少しだけ分かってね？
今までにはなかった程強くあなたに恋をしてる。

駆け引きも、もう通用しないのね。

今からそっちに行くから、
指と指が触れたらそのまま強く抱き締めてね。

『翔太!』

「AMerry Christmas!」