仲間 -shingo.I- ページ22
優しさだけじゃ、
生きていけない
だから強くなりたい。
ーーー
俺と勇人さんと銀さんと誠司さんとA。
いつだって5人でいるのが当たり前で、
これからもずっとそうやと思った。
けど、Aを見つめるのが俺と同じやった勇人さん。
違ったのは、先にAに告った勇気。
謝らんでえぇよ。謝られたらもっと惨めになるやん俺。
「これからも友達やで？」
そう、それはきっと嘘とちゃうやろうけど。
俺が守れるモンはもう何一つないんかなぁ？
恋と友情。秘密と約束。
果てしなかった空が今日はやけに低く感じる。
泣けよ、ってか？
それでも"仲間"
笑って話せることも出来るけどプライドとちゃう。
今は2人を見たくないだけ。
雨が雪へともし変わったら、想いの全てが言葉になりそう。
傘が咲く三叉路で「またな。」と別れた2人が差す一つの傘。
明日には雨が上がる。
そして、「俺はもっと強いはず！」
自分に言い聞かすみたいにそう呟いた。
いつの日かまた笑って会えるやろう。
それが大人になる事。
朝が来ない夜がないのなら、秋が来ない冬もない。
誠「肩、貸したろか？笑」
銀「こーゆー時、雨って便利やな。笑」
慎「…もしかして2人慰めてます？」
誠「さぁ、な？ただ、一回ぐらいは、
肩に寄りかかってえぇでって、思ってんのは確か。」
慎「ふぅー。
とりあえずありがとうございます。」
誠「…なんで一回溜息ついたん？」
銀「今の深呼吸やろ？」
誠「溜息ですよ。笑」
銀「深呼吸やろ！」
誠銀「「…」」
誠銀「「どっち？」」
慎「どっちでもないっす。笑」
銀「誠司が溜息とか言うしやん！」
誠『絶対、溜息ですよ！』
慎「…2人うっさいっすよ。」
「「「…」」」
慎「腹減ったなぁー。」
銀「誠司、晩飯奢りな？」
誠「いやいや、そこは先輩の銀さんでしょ？笑」
銀「じゃあ、行くか！慎吾の失恋祝いに。笑」
誠「そっすね、慎吾の失恋祝いに行きましょ！笑」
慎「…何か2人、楽しんでません？」
誠銀「「全然！笑」」
照れくさくて言われへんけど、
俺にはこうして理由も聞かんと傍にいてくれる"仲間"がおる。
"仲間"ゆーても、先輩やけど。笑
それで十分や。
誰かの声に呼ばれて、誰かに背中を押されて、
誰かに会える気がして、そんなささやかな思い込みさえ、
例えばAがその"誰か"なら、
どうか俺を忘れないで欲しい。
「勇人さんに幸せにしてもらえよ。」
Without -tetsuto.Y-→←シンデレラ -takuya.N-
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作者名：haru | 作成日時：2020年12月22日 0時
