ヤンデレ少年に病まされた私 version.3 (ページ8)

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橋本の落としていた、包丁を右に握った。
このまま、帰ろう。包丁なんて置いて、ただ普通の生活に……、病むなんてなくして、帰ろうよ。

「ねぇ、なにしてるの？」

私の後ろから響いた声は、正しく……

成澤だった。

振り返れば、右に握った包丁に自然と力が入る。
憎い、憎い！、憎い！！、憎い！！！、憎い！！！！、憎いんだよ！！！！！

「病んでるねぇ、本当に。」

成澤がいう。
睨みつける目。流れる涙。右手の包丁。

私の存在意義がなくなる。

“家族(おとうと)”の為に、“友達(凛里・古河)”の為に、“委員長会(四季・橋本)” の為に、“イツメン(四季・浅井)”の為に、“過去(西野)”の為に、“先輩(高畑先輩・長井口先輩)”の為に、“後輩(萩野)”の為に、“夢(医者)”の為に、“期待(親)”の為に、“人のﾀﾋ(おじいちゃん)”の為に、“名誉(エリート)”の為に、

この14年間がぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！

ここで、殺せば、存在意義がなくなる。
さようなら、私。本当に、そう思った。生きてて、よかったこと、あったっけ？

絶望って、これなんだって、思った。