10 カーテンの向こうの ページ10
side 青
──倒れた流星の様子見に行こうとして余所見したら、それに気付かんかったしげと投げ合ってたやつのボールモロに受けてすっ転んで頭打った。
先生に状況伝えるためにドッジしてた奴に話聞いたらそんな説明が返ってきて、おい前半それ言わんでええやつ、背中でそう喚きながらしげがじたばたした。怪我人らしくないしげの様子と、何気に俺のせいな怪我の理由にちょっと後ろめたくて
こいつ元気やんけ保健室連れて行かんでええことない、とふざけて返したらクラスメイトに真顔で否定された。結構勢いよく転んでたしごめんやけど連れてったって、やって。いやそのつもりやけど。愛されとんな。しげ。
保健室のパーテーション足で避けて入った。
うっわ重岡や、て淳太先生の反応が笑えた。
それでも、そいつは肩にボールの直撃を受けた上後頭部を床に強打してるってことを俺が説明した途端、
急に淳太先生は先生の顔になって急いでしげをベッドに横たえさせた。やがてペラペラ無駄口の止まらないしげの診察を終えると、安心したように言った。
「大丈夫そうや、48時間以内は安静にして
何か異変あったらすぐ家の人か先生に言うてな
少し休んだら今日は帰り」
「あんがと先生、あとな流星もさっき、
でこんとこにボールぶつけてんけど」
「えっほんまに？はよ言いや」
「や、俺は」
大丈夫です、言う前に前髪を上げられてた。
どうでもええけど普段めっちゃほんわかしとる先生やのに生徒の怪我、ってなると急に押し強なるとこ、ほんまに保健室の先生って感じする。
「あーほんまやちょっと赤いな、湿布しよか」
「え、平気っす」
「大丈夫や、イケメンなんは湿布した位や損なわれへんから」
「イケメンやって流星、ひひ」
「うるっさ」
淳太先生に小さく切った湿布無理やり貼られた。
帰る必要あるか？ってくらい元気なしげは、
先生が内線しに席を外すと急に無口になった。
「・・・しげ？」
「・・流星、おれ」
「藤井くん」
その時ベッドの仕切りの向こうから、女の子の声がした。
その声で誰か分かったから、俺はすぐにスツールから腰を上げた。
「しげ、俺戻るわ」
「流星、流星、ごめんやけど、戻らんで、まだ」
「は？やって、──」
「藤井くん、ごめん、ちょっとだけ」
しげが急に上半身持ち上げて狼狽え出す意味が分からんくて、仕切りのカーテンに手をかけたままでいると、少しだけ開いたカーテンの先の気まずそうな瞳と目が合った。
神山先輩と。
──
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まいん(プロフ) - Noさん» ありがとうございます。わざわざコメントまで書いていただいて恐縮です。すみません。そんなふうに言っていただけてこちらこそ本当に嬉しいです。ありがとうございます。 (2021年4月30日 22時) (
レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - かこさん» Oh…ありがとうございます(泣)こちらこそ早速ご覧いただき本当にありがとうございます。お待たせしてすみませんでした。 (2021年4月30日 22時) (レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
No(プロフ) - ずっと待ってました>_<本当に嬉しい限りです。 (2021年4月30日 18時) (レス) id: a928634097 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - まいんさん» ずっと待ってました（ ; ; ）更新してくださって本当にありがとうございます！ (2021年4月30日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - 名無しさん» お恥ずかしいです。もったいないご感想で恐縮です。そして嬉しいです。私の小説に対してなのか不安になってしまうほどです。何かの間違いでなければ、本当にありがとうございます。 (2021年4月30日 11時) (レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいん | 作成日時：2019年9月6日 19時
