三ツ谷くんを振り向かせたい。【東京リベンジャーズ】

振り向かせたい。27 ページ28

『げほっ…』

案の定風邪をひきました。

馬鹿だな、と自分でもつくづく思う。

唯一の救いは、三ツ谷は風邪をひかなかったことである。


まあ、私が風邪を引いたと言っても、37℃台の微熱だから良かった。


結局私たちはあの後、そのままバイクに乗って家に帰った。


三ツ谷のバイクが少し濡れてしまったのは申し訳ない。


今度改めて謝ろう、そう考えながらカレンダーに目をやると、思わず本日数回目の溜息をついた。



そう、今日は8月3日…武蔵祭りの日なのである。


行きたかったなぁ、とは思うが自業自得なので仕方がない。


一緒に行く予定だった友達にはメールで謝り、後日埋め合わせをすることにした。



そして、今日はメビウスとの抗争だとマイキーが言っていたのを思い出す。

だが、パーちんが捕まった時に、メビウスの総長を倒したと聞いた。

詳しくは分からないが、それなら今日の抗争は無いかもしれない。


そうだったら良いな、と思いながら目を閉じると、あっという間に意識が遠のいていった。




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ピコン、というメールの音で目が覚めた。

時計を見ると、もう夜である。


うわ、何時間寝てたんだろう…そう思いながらメールを開く。


送信主はマイキーで、メールの内容を見た瞬間、私は目を見開いた。



『ドラケンが、刺された…？』


メールにはたったその一言だけ。


どういう状況なのか全く分からないが、刺されたってやばくないか？


死んじゃったりは、してないんだよね？大丈夫なんだよね？



慌ててベッドから起き上がって着替え、ドアを盛大に開けると目の前にはお母さんが。



｢A？何してるの？｣

『ちょっと出掛けてくる！』

｢駄目よ、まだ風邪治ってないんだから｣

『でも…！！』



抵抗も虚しく、直ぐにベッドに逆戻りさせられた。


再び外に出ようとすると、お母さんが見張っていたため、それはもう叶わない。




大切な友達の危機なのに、そこへ行くことすら出来ないなんて…。


悔しくて、唇を噛み締めながらマイキーからのメールをただただ待った。



自分が情けなくて仕方がない。




待つこと数十分。



ようやく待ち焦がれたメールが来た。





…どうやら助かったらしい。私は安堵の溜息をついた。

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