振り向かせたい。14 ページ15
_______________不良界において大事なのは、数より質だ。
私はこの時、それを痛感した。
…というのも、三ツ谷は一斉に突っかかっていった高校生の野郎共を、一瞬にしてなぎ倒してしまったのだ。
此奴らの攻撃は三ツ谷に全く当たらないのに、三ツ谷の蹴りや拳は面白いほどヒットしたのである。
しかもめっちゃいい所に当たるし。
そして今、目の前には糞野郎共が、地面に無様に倒れこんでいた。
まだあと数人残っているが、三ツ谷なら勝てる気がする。っていうか絶対勝てる。
｢……う、嘘だろ？あの佐々木くんがやられるなんて…｣
｢あの佐々木くん｣がこの中の転がっているどいつなのかは知らないが、此奴らの中では一番強かったのだろう。
その証拠に、残った不良たちは青ざめた顔で三ツ谷を見て震えていた。
震えちゃってるよ、カワイソー。さっきお前らが言った言葉、そのままお返しします。
｢…お、おい。此奴、東卍の特攻服着てんじゃねぇか｣
｢じゃあ、三ツ谷ってあの弐番隊隊長の…｣
たまたま集会の帰りだったため、三ツ谷は特攻服を着ていた。
それにしても、気づくの遅くない？特攻服って結構目立つでしょ…。
しかも残った不良たちは、倒された仲間を無情にも置いて逃げていったのである。お前ら本当に仲間か？
そんなことを考えながら、逃げていく不良たちの背中を眺めていると、三ツ谷が転がっている不良たちを跨いでこちらに来た。
｢…A、とりあえずここから離れよう｣
『あっ…うん！』
そう言って、三ツ谷はの手を取って走り出した。
白目を剥いて転がっている不良たちを横目で見て、此奴らこのまま警察に捕まってくれねぇかなと考える。
…っていうか、ほんと不細工だな。三ツ谷と同じ銀髪の奴もいたけど、三ツ谷の足元にも及ばねぇよ。
そんな風に心の中で罵声を浴びせて、前を走る三ツ谷を見た。
あぁ、一瞬で心が浄化されるのを感じる。
三ツ谷見ただけで綺麗な心になるわ…。
結構走ったため、段々息が上がってきた。
私、体力あんまないんだよね…。
そのとき、疲れてきた私に気がついたのか、三ツ谷の足が止まった。
つられて私も足をとめる。まだ息が上がっているが、直に収まるだろう。
｢…ごめん、A｣
目を伏せて、辛そうな顔をしながら、三ツ谷は私に頭を下げた。
_______________ちなみに、三ツ谷は私の手を掴んだままである。
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ベル - ストーリーが好みすぎて辛いですww海に行った時すごくキュンキュンしました！！ (2022年3月5日 21時) (
レス) @page41 id: 57e8e1c27e (このIDを非表示/違反報告)
泡瀬 るり(プロフ) - るいさん» 最後まで読んで頂き、ありがとうございました！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2021年9月2日 7時) (レス) id: e8f1067ad3 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 素敵すぎました…！きゅんきゅんしましたありがとうございます！ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 4cd171caaf (このIDを非表示/違反報告)
泡瀬 るり(プロフ) - 苺ミルク飴さん» そう言っていただけて嬉しいです！書いたかいがありました……！長文ありがとうございます！！他作品もどうぞよろしくお願いします！ (2021年9月1日 7時) (レス) id: e8f1067ad3 (このIDを非表示/違反報告)
苺ミルク飴(プロフ) - 完結おめでとうございます！めっちゃドキドキしました…！特に最後の方の三ツ谷くんかっこよすぎてずっとにやけてました笑夢主ちゃんもすごく可愛くて、とても面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！他の作品の更新等頑張ってください！応援してます！ (2021年8月31日 23時) (レス) id: 976df8db05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泡瀬 るり | 作成日時：2021年7月27日 23時
