episode4 ページ5
【チリside】
「お姉さんのカツ丼、濃いめの出汁と甘辛のかえしとの相性がバツグンですわ
端っこの方も脂身が少なくて乙女にも優しいしなぁ」
私がそう言うと、カツ丼屋のおばちゃんが頬っぺに手をあてながら奥の方に何か取りに行った。
と思うと、またてこてこ戻ってきて、私達の机に二つ小皿を置いた。
「ヤダヤダも〜！おばちゃん若返っちゃうわ！
これお漬物、Aちゃんも好きなタクアン！サービスね！」
『え！うそ！！！チリさんナイスです！！』
「なはは！おおきに〜！」
黙々と頬張るAを見て、思わず笑みがこぼれる。
すっかり大人になってしもたけど、子供のようにも見える。……不思議な感覚や。
A御用達のカツ丼屋。
視線を上にずらし、壁を見ると “Champion A”ちゅうサインの書かれた色紙が飾られてある。
ほんでその色紙と写真を撮る学生の写真がぎょうさん。
ぼーっとそれらを見とると、気づいたおばちゃんが話しかけてきた。
「Aちゃんは本当に人気でねぇ〜…、ここにはAちゃんが小さな頃から来てるんだけどね、
チャンピオンになってからおばちゃんふざけてAちゃんにサイン頼んだんだけど、そしたらそれからどこから聞き付けたんだが、人が来るわくるわ…写真を撮るわ撮るわでねぇ、
以前の3倍くらいはおばちゃん、忙しくなっちゃったわよ！おほほ！」
我が子のように嬉しそうに話すおばちゃんを見て、
えっ、知らなかったとAが驚く。
「ほらやっぱり！チリちゃんの言った通りやろ！？
自分は自分が思うより人気者なんよ」
『いや……えっ……そう……んんん……？』
首を傾げながら、Aは残っとったカツを頬張った。
…何がそないに自信を無くさせるんや…。
そう思いつつも、一つ思い当たる節があった。
「……もしかして、また卑屈な単語つけてエゴサしたんか？」
『い、いや…えっと』
少し問い詰めると、居づらそうな表情で目線をずらす。
そんな顔を見て、私は溜息をついた。
「何回も言うとるけどなあ！エゴサする時は
・A 可愛い
・A 強い
・A 好き
て検索せえって何度も！」
『で、でもチリさん、そんな自分を褒めるような言葉ばかりで検索しちゃ、バトルの改善点が見つけられないじゃないですか…。
それは合理的じゃないと思います』
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りこまる - やばい……好き (12月26日 2時) (
レス) @page24 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すっっっきぃ… (9月2日 23時) (レス) @page24 id: a311a04bdb (このIDを非表示/違反報告)
あんず - この小説が最近の生き甲斐です！続編楽しみにしてます！お体に気をつけて、更新頑張ってください！！応援してます！！ (2023年2月8日 23時) (レス) @page24 id: 05f7df07a8 (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！この話は胸のトキメキや無双系ではなく、意地汚さやもどかしさなどの人間味を重視して書いているのでそう言っていただけて心の底から嬉しいです。是非今後もこの作品をご贔屓にして頂けたら幸いです。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page24 id: 2288440125 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 初コメント失礼します。とても綺麗で人間らしい内容と構成で本当に感動しました。これからどう成長し、展開していくか、本当に楽しみです！これからのご活動も心より応援しております。お身体にはお気をつけて楽しんで作品活動続けてくださると嬉しいです！ (2023年2月5日 16時) (レス) @page22 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2023年1月6日 2時
