【ハイキュー】女王様は休みたいようです【短編集】 (ページ3)

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及川side

Aから差し出された小さな箱。恐る恐る開けてみたらブレスレットのような形をした少し大きな輪があった

エメラルドグリーンの宝石が入った、ゴールドの金属の輪っか

及「これって…」

『アンクレットってやつ。足のブレスレット。シンプルなデザイン選んだつもりだが要らなかったら捨てろ』

及「い、いやいやいや捨てるわけない！Aがせっかく選んでくれてるんだもん！毎日つけるよ！」

『……、そうか。そうしてやったらそいつも楽しいだろ』

少し恥ずかしそうに頬をかくAも可愛い。慣れないことをしているからかいつもより饒舌になってる気がする

さすがにお風呂は外せよとか、学校でつけるのはやめといてもいいと思うとか

不意にAの首にかかっているネックレスがキラリと光って目に入る。何かが反射して、俺はそれを見た、見たのだ

及「……え、A、そのネックレスと一緒についてるリング何…？」

『！！……いや…その、なぁ…？』

及「なぁと言われても…」

言及した途端強く動揺し始めた。Aがどこかソワソワしてたのはこれが原因か

いつもの王冠パーツの隣に小さめの指輪。ゴールドでエメラルドグリーンの宝石が付いていて………最近どこかで見た

最近どころじゃない。今俺の手の中にあるものと全く同じデザインだ

及「…え、まって、その……ペアリング…的な感じで…自惚れていい、やつ……？」

『お店の人の圧に勝てなくて……！それに徹は凄く我慢して頑張ってくれたし……これくらいは…しなきゃと……』

及「だから毎日付けなくていいとか言ってたの！？」

『だって徹が恥ずかしいと思って…！私とったら多分無くすし…』

恥ずかしいわけが無い

Aアンクレットは足のブレスレットだと言った

こんなの、足枷と同じじゃないか

俺は歩くことすらも縛られている感覚になれる。歩く度に、Aのくれたアンクレットが足にあたって、Aを感じることが出来る

しかも同じデザインのものをAは首からかけているのだから

こんなの、こんなの、俺自身がAから縛られているという実感以外の何と言えるのか

及「恥ずかしくないよ、俺毎日つける。さすがに部活の時は外すけど…それ以外は付けるから」

これ以上ない、最高のプレゼント

Aと俺との関係性を見せびらかすことができるなら、憎たらしいお前らのことも好きになれる

だって俺はそれ以上の愛で縛られてるんだから