▼.第24話 ページ26
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カラ松さんが入っていった部屋の扉の前。
私は俯き、自分の着ている真っ黒なローブをくしゃっと握りしめた。
これは死神である事を証明するもの。
カラ松さんと出会ったあの日以来だから、着るのはかなり久々だ。
…だからかもしれない。
着た瞬間、今まで封じ込めていた死神としての記憶が溢れ出し全てを思い出した。
『ごめんなさい…!』
『助けてくれッ!!』
『『殺さないで』』
A「…はぁ…」
ズキリと頭が痛む。
今までの任務は何の感情もないまま行ってきた。だからこそ今回どうしようもなく悩んでしまったのだ。
子供のように泣き叫ぶ人々の顔が、苦しみが、脳裏によぎっては消えた。
彼らに向けて心の中でそっと手を合わせる。
過去の私なら考えられない事だった。
――――――――さて。
昔を振り返るのはもうやめよう。
今すべきこと、それは…
A「…さっさと仕事を終わらせること。」
私は自分にそう言い聞かせて、ギィと音を立てて扉を開いた。
ここは“シスター”としての私の仕事場…だった場所。
カラ松さんは奥に堂々と配置された十字架の前で、何かを祈っていた。
A「…神父様。」
カラ松「…ああ、Aか。どうしたんだ?」
よく見ると、彼の受けた傷は綺麗さっぱり無くなっていた。
服には少しだけ血が付着しているのに、何だか不思議だ。
A「…実は私、貴方に隠していたことがあります」
カラ松「…?」
A「私は…人間でも、シスターでもないんです。
本当は……私は、
死神、なんです。」
私は溢れそうになる感情を押し殺して、何事もないように、平然として言った。
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サクラ - これのアフターストーリーが読みたいです! (2017年4月24日 21時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 望 心己さん» ありがとうございます!更新(そして返信)遅れてすみません〜(>_<)頑張りますね! (2017年1月9日 22時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
望 心己 - 面白いですね! 楽しかったです! 頑張って下さい! (2016年12月18日 16時) (レス) id: a64fa2085a (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 黒バイさん» カラ松「ああ、心配をかけたな。傷は負ったがなんとか生きてるぞ。」だそうです…!よかった!!(( (2016年8月8日 18時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - カラ松様!無事ですか!? (2016年7月29日 9時) (レス) id: dcb396dc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まかろ | 作成日時:2016年4月30日 15時