149 - 高3 花火大会 ページ10
.
ここの花火大会は年々規模が大きくなっていて、神社の境内には多くの屋台が並び、人混みと熱気に包まれていた。
大ちゃんと合流した私は花火の時間までだらだらとその中を歩き回っていた。
大貴「喉乾いた〜。あ、良いのあんじゃん」
そう言った大ちゃんが買ってきたのは、カランと涼しげな音を出すビー玉が入ったラムネだった。
それを勢いよく仰いで飲み始める大ちゃん。
一口ちょうだい、なんて言う間も無く喉に流し込む彼は、ちょっとふざけているようで面白い。
飲んでいる間、規則的に動く喉仏をぼーっと見つめた。
大貴「ぷはー！、うまっ！」
ラムネ瓶の上部を両手で握りしめた直後……
大貴「う…A…俺ビー玉飲んだかも…」
え…？
そんなことあるわけないのに…
最初は軽く笑って受け流したけど、喉元を触る神妙な顔つきの大ちゃんを見ていたら、妙に不安になってきた。
「う…嘘……でしょ？…っ大丈夫？！」
慌てて近付いて首元を何度か触ってみたけど、
いや…さすがにビー玉のサイズからすると喉で止まらずに胃まで行っちゃってるよね…
そんなこと考えていたら、肩を小刻みに揺らしている大ちゃんに気付いて顔を見上げた。
大貴「ぷっ……んなわけねぇだろ！」
ケラケラ笑いながら、逆さまに持っていたラムネ瓶を元に戻すと、
握っていたせいで隠れていたビー玉が、瓶の上部でカランと音を立てた。
「……び…びっくりさせ、」
遊ばれていたことが分かって怒ろうとしたら、両頬を手で挟まれて言葉を遮られた。
そのまま額同士をくっつけて微笑んだ。
目の前に……目を瞑っている大ちゃんの顔。
大貴「あー……なんで幼馴染なんだろうな……」
右手にラムネ瓶を持っているから、それが左頬に当たって冷たい。
そして何より…息がかかるくらい近い…。
言葉の意味が分からなくてそのまま無言で見つめていた…。
突然両肩を押されて腕の長さ分の距離離れる。
真下を向いた大ちゃん。
大貴「ゲフッ………初めて一気飲みしたわ」
手の甲で口元を押さえながら恥ずかしそう顔を上げたので笑ってしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
