158 - 高3 卒業式 ページ19
.
慧「あ〜なんか…もう輩に身ぐるみ剥がされる勢いだった…」
昇降口に降りると紗奈達がいた。
おそらく教室にずっと残っていた慧くんはぼろぼろの状態になっていた。
ブレザーもネクタイも無くて、シャツのボタンもいくつか取れている。中に肌着を着てるから裸にはならないけど…見るも無惨な姿。
紗奈「校舎を入れて5人で写真撮ろ！」
いいね！…なんて言いながら校舎中央にある桜の木の下まで走る。
ここなら桜と校舎が両方入りそう。
慧「もぉ…紗奈それ朝来た時に言ってよ〜。俺ぼろぼろなんですけどぉ…」
慧くんのことを皆で笑いながら5人で写真を撮った。
きっと一生忘れない…素敵な思い出。
ー
校門で、帰る方角の違う紗奈と慧くんと号泣しながら別れた。
慧くんは泣いてなかったけど、私のことをぎゅーっと強く抱きしめた後その流れでキスしようとしてきて…
紗奈と大ちゃんに頭を思いっきり叩かれた。
侑李「ねぇ、恒例のやつ。グループトークにメッセージ来てるよ」
3人で帰っている途中でちーちゃんがスマホを見て嫌そうな顔をした。
恒例のやつ…。
私達の親…特に母親同士は親友。
私達の卒業式の晩に、“お祝い”と称して個室の飲み屋に集まり盛り上がるのだ。
小学校、中学校と2回連続行われている。父親が仕事終わって迎えに来るまで、べろべろに酔っ払った母親達に付き合わされる嫌なイベント。
そのお誘いメッセージが母親達を含めたグループトークに来ていた。
大貴「もういいよ〜。今回は大人だけで勝手にやれって返しちゃえ」
ちーちゃんと大ちゃんは凄く嫌そうだけど…
「最後だから行きたいな…」
侑李・大貴「「え？」」
だって…あと数分歩いたら家に着いちゃって、
それでお別れしたら次会うのは…いつだろう。
考えただけで泣きそうになったからこぶしを握ってグッと堪えた。
そんな私の様子を見て顔を見合わせた2人。
侑李「しょうがない…『いいよ』って返信しとくね」
大貴「いつも通り17時に俺の家集合で」
やった！まだ3人揃って過ごす時間が出来た…。
.
159 - 高3 Yuri Side→←157 - 高3 卒業式
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
