156 - 高3 卒業式 ページ17
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紗奈「今日でお別れなんていやだよぉおお〜！！！」
卒業式が終わり、最後のホームルームも終わって解散した。
中学の時みたいに下級生が校門までアーチになって送ってくれるような演出は無かった。
今は、教室で卒業アルバムにメッセージを書き込んだり写真を撮って、各々卒業の余韻に浸る時間…。
紗奈のアルバムにメッセージを書き込んでいたら、隣で見ていた紗奈が泣き始めた。
「さ…紗奈…落ち着いて…永遠の別れじゃないんだから…」
あぁ…だめ…もらい泣きしそう…。
侑李「紗奈、中学の時もこんな感じだったね。あの時は高校一緒なんだから大袈裟〜って思ってたけど」
泣き叫ぶ紗奈を冷めた目で見ているちーちゃん。
泣かないどころか完全にばかにしてる。
私達仲良し5人組は中学1年の時からの付き合いだから、もう6年近く一緒にいることになる。
そして私がちーちゃん、大ちゃんと迎える卒業式はこれで3回目。小学校、中学校、高校…とよくこれだけ長く一緒にいたものだ。
大ちゃんと慧くんは学校中の人から写真をせがまれている。
大貴「あ〜もうキリがない。はい！おしまーいおしまーい！！」
立ち上がって大声で両手を振り、その場の解散を促した大ちゃん。
でも廊下に逃げたところで待ち構えていた後輩達に囲まれる。
下級生「有岡先輩！ボタンください！」
下級生「だめ！私にくださいよ〜！」
大貴「はいはい、勝手に持ってきな！」
ブレザーだけ返せよー！！、と言って着ていたブレザーを脱いで彼女達に投げた後、私達の方を見て手を挙げた。
大貴「ちねーん！！サッカー部連中で写真撮るって！！D組行くぞー！」
侑李「はーい！」
その場から逃げるように廊下を走っていっちゃった。
大ちゃんがいなくなったことで更に女子が集まってしまう慧くんを見守る。
紗奈「A、大ちゃんのボタンもらわなくていいの？中学の時もらってたじゃん」
「あぁ…だから別にもういいかなって」
嘘だけど…。
ボタン欲しい…なんて今となっては言い辛いし…時既に遅し。
廊下で後輩達がボタン争奪ジャンケンを繰り広げていた。
そういえば遥香ちゃんにボタンあげなくて良かったのかな？…今D組に行くって言ってたけど。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
