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目が覚めたら………ベッドで寝ていた。
「うぅ……んん？」
あれ？たしか花火の丘でちーちゃんと飲んでいたはず。
…またちーちゃんに家まで送り届けてもらっちゃったのかぁ。
これで何回目だろう。
そんな呑気なことを考えていたのは目覚めてから5秒くらいだった。
え？…ここどこ？
違和感に気付く。
知らない場所にいる…。
冷静になろう…。
ベッドに横向きになっている状態で考える。
視界に入る家具は全て見たことがない。
ちーちゃんの部屋ではない。そもそも…ちーちゃんがいない。
ただならぬ恐怖を感じて、身体を起こそうとするけどなぜか重たくて起き上がれない。
「ひゃっ！！」
胸元に巻きついている腕らしきものが動いた。耳元に生暖かい息がかかって身体が強張った。
？「ん……A、起きた？」
掠れた声が真後ろから聞こえた。
え…待って……今の声……それに…
この展開………身に覚えがあるんですけど…
これは高校2年の正月と同じシチュエーション。
あの日は元旦からちーちゃんの部屋にいて、
昔から人のことを抱き枕にする大ちゃんに寝起きを襲われて…
恐る恐る声のした方に振り返ると、
眠たそうに目を細める大ちゃんの顔があった。
パーカーのフードを深く被っているからよく見えないけど……この距離で見間違えるはずがない。
あ、これは…
きっと夢だ。
大貴「夢じゃねぇわっ！」
心の声につっこみをいれてきた…大ちゃん。
どうやら声に出ていたらしい。
私の目の前でお腹抱えて笑っているけど、いまいち状況が理解出来ない私は呆然としていた。
大ちゃんが目の前にいる…。
だるそうに上半身を起こし、被っていたフードを脱いでボサボサの頭を掻いている。
パチンっ
寝そべっている私の頬を両手で挟んで上から見下ろしてくる。
大貴「ほら！目覚ませ！」
にっ、と口の端を吊り上げる彼を見ていたら、心臓がうるさくなって、頭が少しずつ働くようになってきた。
「なんで…？…どうして？」
大貴「昨晩のこと…なんも覚えてない？」
思い出そうとしても花火の丘に着いた辺りから記憶はほぼ無かった。
昨晩…と私が呟くと困った顔で後頭部を触る大ちゃん。
大貴「…知念に前から頼んでたんだ。Aに会いたいって……会わせてほしいって」
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
