雲の切れ間から After Story - Daiki.A

028 - 高3 文化祭前日 ページ29

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〜 高校3年・秋 〜



明日は高校生活最後のビッグイベント、文化祭だ。



去年実行委員で忙しかったせいで、クラスの出し物には殆ど参加出来なかった私。



今年の文化祭は全力で楽しむぞ！ …そう思う程、準備に熱が入る。



うちのクラスは今年たこ焼きをやることになった。



可愛いたこ焼きのキャラクターがプリントされた赤いクラスTシャツを着ると自然と気分が高まる。



男子からの評判は悪いけど、私はこのタコとたこ焼きのキャラクター好きなんだけどなぁ。



たこ焼きの文字と絵が描かれた看板を窓枠に貼り付けていく。



教室の装飾をするのがこんなに楽しいなんて……



紗奈「ちょっ、A〜！！ パンツ見えそうだよ〜？！」



紗奈の叫ぶ声が聞こえた。



振り返ってみると教室の入口に、コンビニの袋を提げた紗奈達が私の方を向いて立っていた。



「へ…？」


慧「わ〜破廉恥〜」



窓の柵の上に立って、ガラスの裏側からガムテープで看板を貼っていた私。



おそらく本来こういう作業をする時に履くべきジャージを履いてなくて……



覗こうと思えばスカートの中を覗き放題の状態で作業をしてた。



でも、私の下着なんて…見たがる男子なんていないよ？



「もう……騒ぎすぎ。 もうちょいで終わるから、」

大貴「いいから早く降りろ！」



なぜかしかめっ面の大ちゃんが窓の方に駆け寄ってきた。



「何怒ってんの…」



大ちゃんが下から手を伸ばしてきて、それを握って仕方なく降りた。



大貴「ジャージ履いて、今すぐ」


「なんで……」



なんでこんなに怒られなきゃいけないんだろ…



さっきまで楽しく準備してたのにな。



皆の視線が痛くてその場にいるのが居た堪れなくなった。 大人しく言われた通り、ジャージを取りにロッカーに行くことにした。



教室を出る時に後ろを振り返ったら、心配そうな表情のちーちゃんと目が合って、



ダイジョウブ？ って私に向かって口パク。



その奥では大ちゃんが窓に登って、私がやりかけてた窓看板の取り付けをしてる。



ちーちゃんの顔を見て頷いて、教室を後にした。



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