雲の切れ間から After Story - Daiki.A

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今の私達を見たら『結婚してないカップルが不用意に子供作るようなことするなんて…』って非難する人はいると思う。



でも、こうなるまでには色々な葛藤があった。



お互いに悩んで導き出した答えだと思う。




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あれは3年前……
私の誕生日の翌日のこと。



夜遅くに仕事から帰ってきた大貴が急に改まって、風呂上がりの私をソファに呼んだ。



(大貴「A……あのね、事務所に相談したんだ。 でも『どうしても今じゃないとダメなのか』って言われて」)



今は……結婚出来ない、って。
要約するとそういう話だった。



本当は私の誕生日にプロポーズするつもりだったんだって。 本人の話だと随分前から考えてたようなこと言ってた。



でも仕事の都合上、結婚の時期は事務所と調整しないといけないらしくて…



普通の会社員とはやっぱり違うな、って思った。



契約とかイメージとか、ファンの人達の気持ちとか……色んな考慮しなければいけない事由が多過ぎた。



言い方はあれかもしれないけど、芸能人って、自分自身が『売り物』だと思うから。



今、大貴が結婚してもメリットよりデメリットの方が圧倒的に多い。



好きなんだから結婚する！ なんてそんな簡単な話じゃない。



大貴がそんなことを無理矢理通しきれない状況にいるのもなんとなく理解してた。



芸能人の付き合うってこういうことなんだ…、って。



私にとっては……芸能人である前に幼馴染の彼だったんだけどね。



(「大丈夫だよ、今はお仕事に集中しよ。
………私、待ってていいんだよね？」)


(大貴「もちろん。 ……改めていつかプロポーズするから」)



ぎりぎり20代前半だったあの時。



いつまでも待てる…そう思ってた。



最近の私が、彼を追い詰めたんだ。



学生の頃の友人が次々結婚して子供産んで…。 年賀状やSNSでの報告を見た時、大貴の前で言っちゃいけないことを口走った。















いいなぁ、羨ましい…… って。




















その時の大貴の顔が…











今も頭から離れない。












(大貴「そう…だね………」)















明らかに動揺してた。












申し訳無さそうに俯いて下唇噛んで……












拳を握りしめてた。














傷付けちゃったんだ。
本人にはどうにも出来ない問題なのに。









余計なプレッシャーをかけて、
負い目を…感じさせちゃったんだ。



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