End.1-6 ページ27
・
・
・
今日が特別な日だからかな。
高校1年生だった私が “お兄ちゃん” と真剣に付き合い始めた頃のことを思い出していた。
ハッとして、式場にある新郎新婦の控え室を見渡せば、まだゲームをやってる今日の主役。
「もぉ〜 お兄ちゃんはいつまでゲームやってん……あっ、」
今、私……“お兄ちゃん” って。
高校の頃のこと思い出してたからかも。
やばい……と思った時には手遅れ。
スマホを触る手が止まり、不気味な笑みを浮かべてゆっくり近づいて来た。
怖くて逆に目が離せなくなって、後退りしながら逃げたら壁にぶつかりそれ以上下がれなくなった。
大貴「リップ………あとで直してもらえよ」
「え…？」
そう言って、私の顎を片手で持ち上げて、
「え？ うそ……待って、だい ーー」
“大貴”
そう言おうとした口は唇で塞がれた。
「ん、…んぅ…」
強引に捻じ込んできた舌が逃げ場のない私の舌をとらえてねっとり絡みつく。
胸を強く押して拒否反応を示しても、それ以上の力で壁に押し付けてくる大貴。
何回もぱくっ、て食べるようなキス。
そんなことしたらリップが口の周りに広がっちゃう……
「ん、………ハァ、もぉ！」
やっと離れてくれた。
私の左手を持ち上げて、それで自分の口をぐりぐりと押し付けるように拭いてる。
「ちょっ……なにやってんの」
大貴「ん？ なにって……これ」
見せてきた私の手の甲には、大貴の口に付いたと思われるピンクのリップが付着していた。
控え室の大きな鏡の前で自分の口元を確認して、ティッシュでもう一回拭き取ってる。
そんなことするなら初めからこんなことしなければいいのに。
生まれてから15年以上続いていた癖はなかなか直るものではなくて、未だに油断すると “お兄ちゃん” と呼んでしまう。
もう……“お兄ちゃん” じゃなくて “夫” なんだ。
大貴の単身赴任が決まったタイミングで家族挙式をすることにした私達。
実優先輩は高校卒業後、服飾関係の学校を出てブライダル系の仕事に就いて、今はこの式場のウエディングプランナーをやってる。
今回のチャペルは実優先輩のイチオシの所らしい。
大貴との過去のわだかまりははるか昔の話でもう気にもしてないみたい。 つい先週、実優先輩も結婚したらしい。
実優「Aちゃ〜ん、そろそろ新婦さんも着替え時間だからこっち来てもらえる？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもち(プロフ) - けいとるさん» ありがとうございます！大ちゃんがカッコいいと言って頂けてとても嬉しいです。分岐も楽しんで頂けて幸せです。この先もお楽しみ頂けるよう頑張ります^ ^ (2019年11月20日 22時) (
レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - 知念ちゃんの方も読んでます！自分で選べるっていうのが楽しいです！これからも頑張ってください！ (2019年11月20日 22時) (レス) id: 28ae4d748b (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - はじめまして！この作品とても好きで大ちゃんもカッコイイです！ (2019年11月20日 22時) (レス) id: 28ae4d748b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年11月15日 22時
