44 - 高2 花火大会 Yuri Side ページ45
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- 侑李side
Aに気付かれないように近付いて、木の後ろに隠れる。
大貴「…よぉ。こんなとこで何してんの?」
木の向こう、偶然会ったかのような口ぶりの大貴がいた。
会えちゃった。
今年もまた3人でここに集まった。こんな形で集まるのは初めてだけど。
〜♪
大きな音を立てて振動したスマホ。 慌ててマナーモードにして画面を見る。
大貴みつけた。花火の丘。はやくきて
もういるけどね…
2人の会話を盗み聞きしたことでAの様子がおかしかった理由が分かった。
大貴が琴ちゃんにキスしたのを目撃したらしい。
なんでそんなタイミング悪く…
つくづく運が悪いな…と項垂れて、顔を上げたら大貴と目が合った気がして焦った。
大貴「あのさ……知念に対して好きって気持ちがあるならはっきりしてほしい。
いい加減な気持ちで付き合うなよ。」
急にはっきり聞こえた声。自分の名前が出て驚く。
大貴違う…
何かよく分からないけど勘違いしてる。
これは僕と紗奈が強引に始めた関係だ。
ドンッ
花火が打ち上がった音が響いて、思わずそちらを見る。
2人に視線を戻すと大貴がどこかに行こうとしていた。
Aは動かない。
「待って!!…大貴!!」
思わず叫んで飛び出すけど、大貴は行ってしまった。
人混みに入る瞬間、少しこちらを見た気がする。
A「…うぅっ…大ちゃんのばか……」
「A……ごめん…」
大貴はばかじゃない。
今回に関しては。
僕が泣かせたんだ…
ばかなのは僕だ。
Aの泣き声と花火の音が耳に残って、しばらく離れなかった。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時