37 - 高2 夏休み ページ38
.
大ちゃんの部屋で見たあの顔…低いトーンの声…
全身が一気に沸騰するような感覚にまたなった。
…男の部屋??
幼馴染だから今まで何も気にしていなかった。
大ちゃんの時と似ている今の状況。
大きく違うことが1つ。
大ちゃんと私は付き合ってるわけではないただの幼馴染。
ちぃちゃんは、“偽装”とはいえ一応付き合っている彼氏だということ。
顔に落ちてきたタオルを退けられる。
侑李「ねぇ…………答えてよ…」
泣きそうな顔で見てくる侑李。
大ちゃんといい、侑李といい、なんでこんなに顔つきが急に変わるの…。
あと…その…『どこまでしていいの』って…それはなんでしょうか……。
侑李「時間切れ…」
ちゅ…
小さい音をたてて優しく唇が重なった。
驚いて動けない私を艶っぽい瞳でしばらく見つめた後、
唇を食べるようにぱくっとキスした。
侑李「…ん…あまっ…。
なにこれ…カスタードクリーム?」
あ、私がさっきまで食べていた菓子パンだ。
起き上がって、『カスタードメロンパン』と書いてあるそれを拾って見ている侑李。
…不思議だ…。
大ちゃんにされた時よりも冷静な自分がいる。
こういうことに慣れてちゃった…ってこと?
私そういう女の子だったっけ?
いや、違う違う。
またこないだの大ちゃんのことを思い出して顔が熱くなる。
〜♪
部屋に突如鳴り響く着信音、今度は私がびっくりして、音がなっているスマホと侑李の顔を交互に見た。
侑李「…なに?………いいよ、どっちでも。
…効果あるか分かんないじゃん。」
静かな部屋。
スマホ越しに聞こえる大きくて少し高い女の子の声。
たぶん紗奈だ。会話の内容まで分からないけど。
紗奈ねぇねぇ。お付き合いされてる2人はふたりっきりがいいよね?
こんなメッセージが紗奈から来ていた。
このグループトークに大ちゃんがいるから、わざとらしく送られたようなこのメッセージ。
皆の関係をぎくしゃくさせている。
…胸が痛んだ。
花火大会……もうすぐか。
.
314人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時