31 - Yuri Side ページ32
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- 侑李side
会社の飲み会帰りにAに会ったあの日から3週間経った。
彼女から久しぶりに呼ばれた自分の下の名前。
(A「…侑李っ……」)
高校2年の夏、彼女と付き合うことになった時、下の名前で呼んでもらってたな。懐かしい。
今はただの“いとこ”に戻ったけど。
忘れたつもりだったのに、彼女の僕を呼ぶその一言であっけなく甦る当時抱いていた恋心。
思わず抱き締めた。
居酒屋で会った時、美波からざっくりだけど大貴とAのことを聞いた。
どうしても僕らの繋がりは切れないらしい。
これが腐れ縁ってやつなんだね。
大貴に心乱されて今にも壊れそうなA。
高校の時に何回も見たこの姿。
あれから…6年。 時間が経ち大人になった彼女の恋はややこしさを増していた。
結婚目前と噂される相手がいる大貴。
その大貴と会って、その後何を考えているのかなんて…分かりやすい。
「………ばか、いまなに考えてんのかわかんだよ」
お酒のせいにして無理やり口づけた。
多少強引にしてもいいよね。
Aも大概だから。
A「…わたし……ごめん…大ちゃんに会ってるの…。ずっと前から…2人で…」
それはさっき美波から聞いた話と重なる。
約束したのにね。
高校の卒業式の日に。
Aはあの時、
もう大丈夫、って言ってなかった？
女子にモテモテで、制服のボタンも何もかも引きちぎられた大貴を見て、大ちゃんボロボロ〜、て笑ってたじゃん。
2年の時のAが見たら心痛める光景だっただろう。
約束守れなかった問題児め。
居酒屋で会った美波。
あれもやっかいな問題児。
美波「大貴も最近仕事どんどん増えてきて良かったよ。 ほとんど会えてないけどね…。
私、彼からの言葉…ずっと待ってるんだ」
そう言って顔を赤らめた。
「待ってたら永遠に今のままだよ。 2人だけで進められない事情があるだろうけど。」
僕の忠告を聞いて、彼女は悲しげに笑った。
我慢大会するのやめようよ。
皆強いから…
「僕で良ければ手伝うけど…？」
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年7月19日 0時
