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大ちゃんに鍵の在処を伝える連絡はなんとか送信した。
キッチンで寝てたから既読がつくのは朝だろうな。
これで大丈夫。
また明日も仕事。早く帰って寝ないと。
それでまた何事もなかったかのように大ちゃんに呼ばれて、会ったらいっぱい話して笑い合って…
幼馴染をずっと続けていきたい…
それ以上の関係はもう期待しちゃダメだから
？「A…？」
顔を上げたらちーちゃんがいた。
後ろの青信号がチカチカ点滅している。
ヒュ〜〜…ドンッ
突然花火が上がる音が聞こえる。
パァーッと目の前に広がる花火。
高校2年の時に皆で行った夏祭り。
(大貴「…好きって気持ちがあるならちゃんとしてほしい…」)
花火の明かりに照らされた大ちゃんに言われた言葉。
あんな冷たい目で私を見たのは初めてだった。
そのあと、泣き崩れていた私の所に駆けつけてくれたよね？
珍しく息を切らして…
「…っ……“侑李”…」
侑李「え…なに…どうしたの…？」
目の前に広がっていた花火は赤い信号に変わっていた。
侑李「…ふぅ…美波が言ってたのはこれね」
ため息をついている。
侑李「皆バカで困っちゃうな…」
「っ！…」
腕を引っ張られて、気が付くと背丈がほぼ変わらないちーちゃんの腕の中。
彼のジャケットからタバコの香りがする。
きっと飲み会の帰りだったんだろうな。
「…うぅっ………」
ねぇ、大ちゃん…
さっき私にしたみたいに彼女に抱きついたりキスしたりしてるんだよね…？
芸能のお仕事が決まって、1番に報告して喜び合ったのはきっと彼女。
辛い時に彼が最初に思い浮かべるのも彼女。
仕事の合間を縫って会う2人はあの部屋で…愛し合うんだ。
考えれば考えるほど自分の傷を抉るだけなのに
思考が止まらなくなる。
もうこのまま消えてなくなりたい。
侑李「……ばか。 今何考えてんのかわかんだよ」
苛ついたちーちゃんの声が耳元で聞こえて、
「え？……っん！！」
頭を後ろから押さえられて唇を塞がれる。
ゆっくり何度も角度を変えて重ねられる。
…
侑李「まだ拗らせてたんだね…困った子。
近くにいたのに気付かなかった。ごめん」
そう言って私をもう一度抱きしめた。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年7月19日 0時
