悪魔に恋されて

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「寒かった冬が過ぎて暖かい春の訪れが……」

全員が真剣な表情で校長先生の話を聞いている

私は半分は耳を傾けながら

もう半分は夢の事について考えていた

リゼルを最後に見たのはもう半年ぐらいも前だった

本来はあの人と会う約束の日だったけれど

どうしても行けなくなって…

その時に足の怪我を治してくれたんだっけ

私に告白をして魔界に行こうとかって……

実は頭の片隅で少しその事で怯えている自分がいた

どうせ連れて行かれてもきっと悪い事される…

何かリゼルに感謝されるような事なんて一つもしていない

なのに何で私なんかに恋をしたんだろう

全てが解らないだらけで

途中でその事について深く考える事はやめていた

でも…あれはきっと……

ドカーン

『………え？』

大きい音が聞こえ、空想から現実に戻ると

校長がいたはずだった場所には沢山のコンクリートの塊が

落ちていた

天井をを見るとそこは穴が開いていて

空は朝なのに真っ暗だった

「あ、悪魔だ……悪魔がいるぞ！」

その声のする方を目で追うと

無数の姿や形をした

悪魔がこちらに向かってきていた

「ケケッ…！久しぶりに暴れるぞ！」

……嘘だ

こんなの嘘だ

信じたくない…

だって…つい…さっきまで皆と……仲良くしていたのに…

絶望で固まっていた私を誰かが凄い勢いで腕を引っ張り体育館の外へと走っていた

腕を引っ張っていたのはユキだった

ユキ「……絶対に逃げ切る…Aちゃんだけでも」

『あんな数相手に逃げられないって……』

ユキ「Aちゃんが諦めたら……ダメ…大丈夫、抜け道があるから」

……幸いまだ見つかっていないおかげで追われていない

もしかしたら……逃げれるのかもしれない

『……そうだね。一緒に逃げ切ろう！』









？？「あれは………ククッ、やっと見つけたぞ」

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