俺の彼女にしたい３

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ASide

私は必至に走ってなつを探す

なつ…どこにいるの…？

家にはいなくて

最後に会ったあの場所しかもう検討がつかない

だけどここからは遠い…

どうしよう…

もう夜中でバスなんかない

車がないと…

そんな事を考えていたら

『あっ…』

坂道で思いっきり転んでしまった

『いたたっ…』

今日着ていた服が破けてしまった

それに足も攣ってしまい立ち上がれない

誠一とさっき別れてしまったのを後悔している

『誰か……』

「大丈夫？」

誰だろう？

見上げると

手を差し伸べている

優しそうな男性がいた

『…すみません、足を攣ってしまって…手を貸してくれませんか？』

そう言うとその男性はにっこりと笑い

「俺なんかで良ければ」

そう言って手を握って起こしてくれた

その動作は華麗でかっこよかった

『ありがとうございます…あの…後日お礼させてください…では…』

そう言ってなつを探しに行こうとした

「待って」

そう言われて腕を掴まれた

「服が破けてるし…何かあったの？俺で良ければ力になるよ」

…この人はきっと心配してくれてるのかな…

でも…

『ありがとうございます、ですが…見ず知らずの貴方に迷惑はかけられません…』

「そんな事気にしないで、慌ててるから理由があるんだよね…車運転しようか？」

『で、でも…』

「いいから、いいから…気にしないで……ね？」

このまま歩けば遠いし……

『お…お願いします…』

「匠って呼んでね、………A」

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