蛇とピアス 【伊黒小芭内】

六話 ※ ページ6

新入生歓迎ライブが終わった。

これからは新入生を連れて、いつもの飲み屋に行くであろう。

ライブが終わった後のメンバーと新入生の合流タイム。

宇髄が新入生の数を把握にまわったり、不死川が女子数人にカッコよかったですって押し寄せられていたりする。

ステージの端っこでボケーッと水を飲んでいる冨岡をボケーッと見つめる。

アイツはどこにいてもそうだ。周りと協調性を持とうと思わんのか、と考えたものの人に言えた程俺も大概だ。

騒がしいホールの中のどこにいたって聞こえるぐらいの大きな声で煉獄が『俺の後輩だ！！！』と女の子を宇髄に紹介している。煉獄の紹介に照れた桃色の髪を結く女子を素直に可愛いと思った。

方がトントンと叩かれ、振り返ると知らない女子が立っていた。

『一番最初に演奏してたベースの先輩ですよね？ものすごくカッコよかったです…！』

どうも、と軽く会釈して取り出したスマホに視線を落とす。

しばらくスマホを見てても視線の中にまだその女子がいる事に気がつく。

気づいてはいるが、関わるのは面倒臭いからそのまま放置。

するとその女に腕を掴まれて、

『先輩、私と一緒にイイコトしませんか？』

なんだそういうことか、宇髄に『急用ができた。今日の呑みは行かない』とLINEをいれて

『責任はとらないから』

年を押して、その女子を連れてホールを後にした。

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