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「だから、結婚はしない…って言ったでしょ!」




怒る私の頭の上でクスクスと笑う彼の声。




…どうして笑うの?




そう思った私に彼が顔を近づけると


低く色っぽい声で囁いた。




『照れなくていいよ…』



「照れてなんか、んん…はぁっ」




私の言葉を遮るように


さっきとは違う、少し乱暴なキスがふり注いで来た。






それなのに、やけに騒ぐ私の鼓動。





――ドックン




――ドックン




過激なキスに私の心臓は、もう止まってしまいそうだった。







そして、彼の手が私の胸へと伸びると同時に




――コンコンッ






その音によって






彼が深いため息と一緒に動きを止めた。







「翔ちゃん、式の日取りが3日後に決まったって」





ニコッと笑い、顔を出したのは…


ちょっと眉毛が濃いメイドだった。





『ジュン…邪魔したな?』





「まさか…笑。
それよりも夕飯の準備ができたから
ダイニングルームへどうぞ?」





澄ました顔で、クスクスと笑う彼女。




『ジュンには、結婚式までの間
Aの世話をしてもらうから』



「初めましてAちゃん。じゃあ、食事が冷めないうちに、行きましょうか?」



『そんなに、急かすことはないだろ』




「だけど、式は3日後。
Aちゃんのドレスの採寸などがあるから、
急いだ方がいいよ?」




メイドのジュンさんに連れられて来た部屋のテーブルには


美味しそうなパスタが用意されていた。






「いただきます」




腹が減っては戦はできぬ…とばかりに


私は出された料理をパクパクと食べた。


こんな美味しいパスタ、初めて食べたよ〜。


やっぱり、生きてて良かった〜。




「どう…?」



「とても美味しいです!」



「Aちゃんのお口にあう味つけができたみたいで、良かったよ。」




『A、お前さぁ…そんな食ったら肥るぞ?
まぁ…でも、ちょっと太ったくらいの方が
胸も大きくなってちょうどいいか 』




ニヤッ…って笑う彼を見て


3日後のことを思い出した。





3日後かぁ……。


その日、私はどうなってるんだろう?


本当にこの人と結婚してるのかなぁ?




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作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:ミイ | 作成日時:2015年1月21日 21時

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