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マキフィセントが杖を床に突くと
『やめろ、マキフィセント!!』
魔王が私を守るように前に出た。
そんな魔王の行動に
マキフィセントがあからさまに顔を歪めて
「そうね…あなたが彼女との結婚を諦めて
私とやり直すと言うなら、考えてあげてもいいわよ?」
『やり直す…?』
「そう…昔のように私と楽しく過ごしましょう?」
『俺は、あんたと付き合った覚えさえ無いけど
誰かと勘違いしてるんじゃねーの?』
「付き合った覚えさえ…ない?
……なるほど、それがあなたの答えね?」
マキフィセントが杖を振ると
雷雨がとどろき、
広間にまた突風が吹き始めた。
「この結婚式を今すぐ、取りやめなければ
その娘の身体は雷に打たれ…
そして…死ぬ!!」
「人の幸せを妬んじゃダメだよ!」
「うるさい!黙れ!犬のくせに!!」
彼女の杖の先から光線が出て
わんちゃんが部屋の壁に激突した。
「弱い者いじめして、何が楽しいの!
そんなことやめなさいよ!!」
「オカマは黙ってなさい!!」
彼女が、杖を振ると
ジュンさんは雷に打たれたように床に倒れた。
「無意味な争いをするではない!」
「老いぼれは、引っ込んでな!」
杖を振ると同時に
爺が部屋の隅まで飛ばされて行った。
次々と、魔王の大切な人達が痛めつけられ
私は身体が震えた。
もういい、結婚できなくてもいい。
それよりも助けないと
私を助けようと、後先も考えないで
マキフィセントに立ち向かう彼らを助けないと…
優しくて…
大好きな人達だから…
そんな人達に囲まれて暮らしてた魔王だから…
私の憧れの王子様だから…
本当に大好きだった…私の魔王。
だからこそ、今度は絶対に私が守る。
たとえ、もう会えなくなるとしてもーー
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作者名:ミイ | 作成日時:2015年1月21日 21時