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また作業を再開した宗が顔を上げずに俺の話を遮った。
宗「何故ここにいるのかは分からないけれど、僕のこの扱いが嫌なのは分かっているよ。君は"藤宮家"のご子息だろう」
途端、時間が止まったような気がした。
つい、と宗から向けられた視線が怖かった。
じっと双眸に見詰められて何とか絞り出した声は、小さく掠れたものやった。
『な…んで知って…』
宗「僕はこう見えて所謂いい所の出でね。その黒髪と、和服の似合いそうな骨格。言葉の端々から感じられる京都人の格式。そのくらい僕にはわかるのだよ」
ふんっと鼻を鳴らした宗は、糸切りばさみで縫い糸を断ち切った。
パチン、と軽い音の後、宗はまた違う布を引っ張り出す。
その間、俺は何も言えへんかった。
宗「ともあれ、僕は"藤宮家嫡男"として君を扱っているのではなくて、ただ"僕が美しいと思ったもの"に対して接しているだけなのだよ。
君が貴族だからだろうとなんだろうと関係はない。ただ、それだけなのだよ」
宗が顔をこちらに向けてふんわりと微笑んだ。
その瞳は慈愛に満ちていて、久方ぶりに安心感を覚えたんや。
『…うん、そっか』
＿＿＿安心感は時に盲目的になる。安心感故に依存して、盲目になる。
それを知ることになるのは、案外早い段階で…やった。
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魚(プロフ) - 永久さん» ありがとうございます！！はわわわわわっ…嬉しいです…！これからも頑張った更新しますので、よろしくお願いします！ (2021年6月28日 21時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
永久 - 続編ありがとうございます！そしていつも最高の作品をありがとうございます！最近ノスタルジアや崇拝も読ませていただき、ますます魚さんの作品が楽しみになりました！ (2021年6月26日 14時) (レス) id: 8eb18355f8 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - ねこまるさん» わぁ…！前作、前々作ともにありがとうございます！頑張って更新していきますね！ (2021年6月21日 12時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる - 続編ー！嬉しいです！夢主君尊い…。崇拝もノスタルジアも読ませて頂いていました。どちらも私の好きな作品のひとつです! (2021年6月20日 14時) (レス) id: ccf2dbd148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2021年6月20日 12時
