ポートマフィア(1) ページ5
「着いたよ」
包帯さんに声をかけられ、私は恐る恐る頷く。
黒帽子さんがエスコートしてくれた。
あれ、割と紳士だぞ?
包帯さんと黒帽子さんと共にビルに入っていく。
エレベーターに乗って最上階まで行く。
大きな扉の前に、2人の護衛が立っていた。
「太宰です」
「中原です。任務から帰りました」
「…入り給え」
2人に付いて、ほたほたと部屋の中に入る。
全面ガラス張り。
夜のヨコハマが一望出来た。
そんな部屋の奥に、ひとつ机があって、1人の男の人が座っていた。
その傍らで、小さな女の子がお絵描きをして遊んでいる。
娘さん…かな?
「やぁ太宰君。中也君。お帰り」
「只今帰りました」
「任務は恙無く」
包帯さん…は太宰さん…で、黒帽子さんは…中原さん…?
かな?
多分そうだ。
部屋に入る前に名乗ってたしね。
で、多分机に座っているのはポート…ポートマフィア?のボスか何かじゃないかな。
2人が敬語だし。
「で、2人とも。……後ろの子は誰だい」
いきなり私の話題に変わった。
あの男の人が出す威圧感…が凄い…怖い。
「今村 Aです。街で1人でいた所を保護しました」
「異能者だと思われます」
太宰さん(仮)と中原さん(仮)がそれぞれ言葉を紡ぐ。
本当に…私は異能者…なのだろうか。
判らない。
「……そうか。なら……これも避けられるね」
男の人の目が黒くなった。
手にはメスがある。
ふと、頭の中に文字列が浮かんだ。
男の人の手からメスが放たれる。
「異能力<星の子>《プレセぺ》!!」
私が無我夢中で叫ぶと、私を中心に魔法陣のようなものが現れ、そこから赤いスーツを着た女の人が出てきた。
女の人は何かを呟くと、私の傍を離れた。
その瞬間、私が顔を庇うために上げた腕に、メスが刺さった。
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作者名:コレット | 作成日時:2018年8月4日 20時